健康 食事

比べてみるとこんなに違う!世界の死亡の原因となる食事の比較!

2020-05-30

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。これまでに病気につながる食生活について記事を続けて書いていました。今日、紹介したいのは、世界の人口上位20か国の死亡の原因となった食生活を比較した記事をまとめたいと思います。また、そこからどんな食生活を意識することが健康につながるのかを伝えることができたらなと思います。

人口上位20か国の食生活の特徴

さっそく本題に入りたいと思います。上のヒートマップは世界の人口上位20か国では、どのような食生活によって病気になり、死亡したのかをランキングでまとめています。

表の見方は国名が20か国ならんでいて、それぞれ縦に数字が並んでいますので、その数字がその国で死亡の原因になった食事要因のランキングということです。

それぞれの国で15の食事要因を比較しているのですが、例えば、一番左の中国は、食塩過剰摂取で一番多く亡くなり、続いて全粒穀物、果物・・・という順のようです。

それぞれの国に、特徴があると思いませんか?日本の特徴については別の記事で紹介しましたが、魚介類をたくさん食べているので、ω-3系脂肪酸の不足で亡くなる人が少ないです。その一方で、日本人は乳製品の摂取量が少ないと言われていますが、見事にカルシウムの不足が7位、乳製品の不足が9位といずれも人口上位20か国中最も順位が高いです。

ではいくつか面白いと感じた箇所を紹介したいと思います。

※ 写真はギャップマインダーのドルストリートから引用しました(https://www.gapminder.org/dollar-street/)。

スパイスの国、インドは食塩摂取量が少ない!

インドは食塩過剰摂取で亡くなる人が6位と比較的低めです。これって結構めずらしいことなんです。

全体的には中国の順位と似ているのに、ここだけ大きく異なっていて特徴的です。

これはスパイスなどを上手に使うことで料理で使用する食塩の量を上手くおさえることができるのかもしれないなあと思います。

加工食品大国の米国、加工肉での死亡が圧倒的!

米国の特徴は何と言っても、加工肉が7位と、他の全ての国が加工肉は10~15位のなかで、ポンと飛び出しています。

加工肉というのはソーセージやハムなどのことをいいます。加工肉は確かに発がん性があります。

それでも赤肉(牛肉、豚肉など)と比べてものすごく高いのかというとそうでもないという印象があるのですが、米国のデータを見ると、食生活が加工肉中心に偏ってしまうと、結構影響が大きそうだなと思いました。

バングラディシュは果物、野菜でワンツー。貧困の食生活を繁栄

バングラディシュでは果物1位、野菜2位という、意外にも人口上位20カ国で唯一のパターンです。

バングラディシュ以外では、エチオピアやコンゴなどでも似たような傾向があるのですが、貧困国の食事はカロリーが極端に低いなどの問題もありますが、中央値で比較すると、先進国と極端に差があるわけではありません。

意外と日本のほうがカロリーが低かったりすることもあります。

ですが、食事はかなり偏っています。炭水化物に偏った食事、すこし裕福になっても、ジャンクフードに偏った食事と、食に関する経済格差は健康格差にそのままつながります。

メキシコはジュース飲みすぎで砂糖税導入の加糖飲料大国!

メキシコの特徴は何と言っても加糖飲料(砂糖を加えたジュース)です。

病気などの障害年数を調整因子に加えると、メキシコでは加糖飲料がなんと2位になる、あまりにも1か国だけとびぬけているので、なんでだろう?と不思議に感じる加糖飲料大国です。

メキシコは2014年に砂糖税という、日本で言えばたばこやお酒などの嗜好品にかかる税金として砂糖税というのが導入されました。これはもちろんジュースから摂取する砂糖を減らし、医療費を削減したいという取り組みです!

エジプトは野菜を結構食べてるけど、死亡数は一番多い。

写真はエジプト、イラン、トルコの食事です。(エジプトの写真の数が少なかったので)

人口の上位20か国のうち、食事が原因で病気になり死亡する割合が最も高い国はエジプトです。

エジプトの食事の特徴を見ると、ナッツ、種子類が少ないのと、野菜は割と食べてそうというところで、イラクやトルコとも食文化は近そうです。

砂漠も多いので、食事はどうしても偏りそうだなと思いますが、どのあたりが死亡割合を高くしているのか?すみません、ポイントはイマイチ分かりません。

ただ、写真を見ると、おかずとかは少なく栄養はやっぱり偏りを感じるかなあと思いました。

まとめ

手をつないだ世界の人々のイラスト「世界はひとつ」

いかがでしたでしょうか?気持ち的にはちょっと書き足りないのですが、ある程度特徴はお伝えすることができたのかな~と思います。

あと、今回はドル・ストリートから素敵な写真を引用させていただきました。世界の食文化を比較するのにとてもよくできたウェブサイトだと思いますので、覗いてみたら楽しいと思います。

ランキング上位の4つくらいの食事要因で実際には死亡の半分くらいを占めてしまうと思うので、基本的には、順位が上位の食事を注目して、他は参考までに見てみるというのが賢い参照の仕方だと思います。

ですが、今回は各国の食文化などもちょっと感じ取ってほしくて、あまり大事ではないのかなと本音では思うようなポイントも取り上げてみました。

個人的に特筆すべきはメキシコだと思っています。加糖飲料で人がめちゃくちゃ死んでいるってちょっとおかしいと思いませんか?

メキシコで進められている砂糖税などの政策によって、少しでもこのジュースの飲みすぎで病気になって死んじゃう人っていう集団を上手に救ってほしいなと思います。

今後に注目です。

また、食の欧米化は悪だ!と考えている人は割と多いと思うのですが、個人的には、どこの国の食文化でもよくて、大事なのは、バランスよく色々な食材を食べることなのかなと思います。

この記事が少しでも読んで頂いた方のお役に立てたらうれしいです。それでは。

参考文献

GBD 2017 Diet Collaborators, Lancet 393:1958-1972 (2019), Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017

  • この記事を書いた人

Pon

食品会社勤務の元企業研究員(PhD)。食の機能性研究、腸内細菌の研究をメインにしていました。興味関心は公衆衛生、疫学、食品の機能性。好きな食べ物はカレーと杏仁豆腐。コテンラジオ、キングダムが好きです。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Xやブログで発信しています。

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