健康,  腸内環境

腸内環境の話 短鎖脂肪酸ってなに?多様性脂肪酸ってなに?

こんにちは。この記事では、腸内環境の話で必ずと言ってもいいくらい出てくる、短鎖脂肪酸と多様性という言葉について説明をしたいと思います。

ちょっとでも勉強したことがある方にとっては常識だとは思いますが、どちらの言葉も知っておくと、腸内細菌の話を聞くときに、す~っと頭に入りやすくなると思います。

短鎖脂肪酸(SCFA)は分子量6以下の脂肪酸の総称です

短鎖脂肪酸は炭素数6以下の脂肪酸

最初に短鎖脂肪酸が何なのかを紹介したいと思います。

短鎖脂肪酸は、分子量が小さい酸の総称です。具体的には炭素数が6以下のもので酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸を指します。

乳酸はOH基が2つ付いていて、コハク酸はOの二重結合が2つ付いているので化学構造がちょっと違います。ですので、短鎖脂肪酸に含めない場合もあります。

ですので、乳酸、コハク酸を含める場合には、有機酸など、短鎖脂肪酸よりは少し定義が広い言葉で呼んで使い分ける先生もいらっしゃいます。

私はどちらが正解かわかりませんが、短鎖脂肪酸と有機酸という言葉を使い分けている先生に合わせて、言葉を使っています。

また、短鎖脂肪酸はShort-chain fatty acidの頭文字をとってSCFAなどと表現されます。論文を読む方は、BMIくらいのノリでSCFAと出てきます。

有用な腸内細菌は短鎖脂肪酸を産生します

短鎖脂肪酸は腸内環境を考えるうえで、極めて大事な用語です。

なぜなら、短鎖脂肪酸を生産するかどうかが有用な腸内細菌なのか、そうでないのかを判断するマーカーとされているからです。

短鎖脂肪酸が腸内で産生されると下記のような良いことがあります。

  1. 腸から吸収され、大腸の上皮細胞のエネルギーとなったり(特に酪酸が大事!)、生活習慣病の予防や改善になります。
  2. 腸内のpHを下げて、有用な腸内細菌が生育しやすい環境を作ります。そして、それによってさらに有用な腸内細菌が増えて、良いサイクルが循環します。

このように、短鎖脂肪酸は宿主である私たち人間にとっても有用に働き、同時に腸内環境もよくしていきます。

食物繊維などを取ると短鎖脂肪酸は増える

それでは、どんな食事を意識すると短鎖脂肪酸が増えるかということですが、ちょっと化学が分かる人は短鎖脂肪酸の化学構造から想像できるかもしれませんが、短鎖脂肪酸の基質は炭水化物です。

ですので腸内細菌のエサになるような炭水化物が腸に届くことで、短鎖脂肪酸を産生してくれます。

つまり食物繊維が一番ということですが、単純に食物繊維だけでなく、食物繊維と糖質で複合炭水化物になっているような食材は、エサとして利用しやすい糖質が食物繊維と一緒に腸に届くのでよりいいんじゃないか?という考え方もあります。

こういう食材を腸科学の著者のソネンバーグ教授はMACと名付けています。ちゃんとした定義があるわけではないと思いますが、全粒穀物とかが当たると思います。

これがMACだ!とは言えませんが、私たちの身の回りの食材でMACっぽい複合炭水化物になっているものは、大麦とか、サツマイモだどかなあと思います。

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多様性指数ってなに?

多様性指数は腸内細菌の種類とバランスをいいます

多様性指数にはαー多様性とβー多様性、γー多様性というものがありますが、ここではαー多様性について紹介します。

αー多様性は腸内細菌でいうと、腸内細菌の種類が多く、その数に偏りが小さく、均一なほど多様性が高いと言われます。

上の図で見ると、左のパターンが一番多様性が高く、真ん中は均一だけど、種が少ない、右は種は多いけれど、偏っているので多様性が低いということになります。

多様性という言葉は生物多様性など、自然科学で使われますが、最近は色々な働き方や人種、民族の異なる人と仕事をすることも多くなり、ビジネス上でも多様性という言葉はよく使われますね。

多様性指数が高いほど腸内環境は安定しています

多様性指数は高ければ高いほど良いと考えられています。

エビデンスを見るとそれは間違いなくて、多様性指数が高い人は神経系の病気から生活習慣病まで、様々な病気に対してリスクが低いことが示されています。

それは、様々な種類の腸内細菌が均一にいることで、多様なストレスや外敵に対して柔軟に応答できるためという説明が果たして証明されている話なのかは分からないのですが、説明としてはとてもしっくりきました。

多様性を上げるには様々な食材をバランスよく食べることが大事

これもそのままなんですが、多様性を上げるって、色々な食材をバランスよくなんです!

よく腸内環境をよくするためには食物繊維をたくさん食べましょうという話があります。これは正しいと思うのですが、極端に食物繊維が多い食事に偏っていて、逆に多様性が低い人というのはいます。これはプレボテラやビフィズス菌といった食物繊維を好む腸内細菌の割合が、極端に多く、偏りが出てしまっている結果で、健康とどのような関連があるのかまでは分かりませんが、私も実際にそういうデータを見て、意外に思いました。

ですので、食物繊維をたくさんとっているから大丈夫!と思って、食生活全体をちゃんと考えないのは安易です。個人的には魚介類、豆類、野菜、果物などをバランスよく食べることを意識しつつ、食物繊維の絶対量を増やすような食生活が大切だと思います。

まとめ

以上になります。という訳で、今日の内容をまとめると、

  • 短鎖脂肪酸というのは腸内細菌が産生する物質で、腸内環境を考えるうえでキーとなる物質です。
  • 多様性指数は腸内細菌がどれだけ多くの種類、どれだけ均一に存在するかを表した数値です。高いほど良いとされます。

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参考文献

この内容が何かの参考になったら嬉しいです。それでは。

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。

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