牛乳とカルシウムと発がんと乳製品
健康,  食事

日本人はカルシウム、牛乳が不足!でも過剰摂取は気をつけて!

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。今日は乳製品について書きたいと思います。

牛乳には様々な良くない噂があります。その代表は発がんでしょうか。また、脂肪分が含まれるため、太るというイメージもあると思います。

様々な情報がありますが、わたしは牛乳は推奨派です。

牛乳に対してすごく悪意のある情報を発信している専門家がいたり、その一方で大手乳業メーカーのプロモーションによってヨーグルトの情報などはかなり過大評価されていると思います。

この記事ではエビデンスから正しく判断して牛乳はどうなのか?を考えたいと思います。

日本人は牛乳の摂取が少ないと言われていて、カルシウムも不足気味!

GBD studyの論文で顕著にみられる日本人の乳製品摂取不足

参考文献1より引用「人口上位20カ国の国別の健康に影響が大きい食事要因のランキング」

まず最初に、わたしたちの健康に影響を与えている食事要因を比較した論文(参考文献1)を参考に、日本人のカルシウムと乳製品摂取に関する問題をみたいと思います。

上のグラフは世界で人口が上位20か国でどのような食事要因が健康に影響したのかをヒートマップで表しています。

ちょうど真ん中あたりに日本(Japan)がありますが、1位は食塩の過剰摂取(High sodium)、2位が全粒穀物の不足(Low whole grains)となっています。

そして、日本に特徴的なポイントの一つとして、7位にカルシウムの不足(Low calcium)、9位に乳製品の不足(Low milk)が入っていて、どちらも人口上位20か国中では最も上位にきています。

つまり日本はカルシウムと乳製品の摂取不足大国と言えるのです。

図にはmilkと書いてありますが、この論文ではチーズやヨーグルトなどの乳製品もmilkに含めて解析をしていますので、乳製品の不足と考えて大丈夫です。

カルシウムの不足は乳製品の不足が原因

日本人が牛乳をあまり飲まないというのはなんとなくしっくりきませんか?

和食で牛乳を使うことって珍しいと思いますし、食事のときに出す飲み物が牛乳というのは、給食では定番ですが、違和感がありますよね。

また、カルシウムの不足も日本人の特徴のようですが、牛乳を飲んでいなければ、必然的にカルシウムの摂取量も下がるので、カルシウムの不足は明らかに牛乳由来だと思います。

では、この牛乳の不足が上のグラフにあるように本当に問題なのでしょうか?

次の章でエビデンスを紹介しながら考察を書いていきたいと思います。

牛乳は体にいい、悪い、とても難しい食材

牛乳のカルシウム量は分かりやすい!

さて、わたしは最初にも書きましたが牛乳推奨派です。その理由はカルシウムとタンパク質の2つになります。

ただ、カルシウムもタンパク質もどちらも栄養成分の話ですので、無理に牛乳からとらなくても、代用ができる食材から摂取できればそれで全く問題ないと思います。

ではなぜわたしが牛乳を推奨するか、その理由は次の2つです。

〇 牛乳のカルシウム量は100 mLあたり100 mgというのがめちゃくちゃ分かりやすい!
〇 牛乳やヨーグルトだと手軽に摂取できるので、筋トレの後のタンパク質として楽

という2点です。

まず、カルシウムの話からすると、カルシウムは1日650 mgの摂取が推奨されています。これに対して、日本人の平均摂取量はおよそ550 mgと言われています。

とくに体の成長が著しい子供にとってはカルシウムの不足というのは骨折のリスクにもなるためとても気をつけなければいけません。

もちろん小松菜やわかめ、ちりめんじゃこなどのように食事からカルシウムをとることもできますが、実際はけっこう大変なことです。

そのため、給食では牛乳で補っているということですが、これは栄養を考えれば大人も同じなのかなと思います。

動物性タンパク質も体を作るためには大事!

つづいてタンパク質についてですが、ご存じの方は多いと思いますが、牛乳はタンパク質も多いです。

そして、そのアミノ酸のバランスも非常によく、人間が体内で合成できないため食事で摂取する必要がある「必須アミノ酸」9種類をすべて含みます。

正直、わたしはアミノ酸構成まではそこまで気にしていませんが、牛乳のタンパク質であるカゼインはプロテインなどでも使われていますよね。

そんなところからも、筋肉を作るために理想的なタンパク質だというのは分かるかなあと思います。

もちろん鶏肉とか生たまごとか、ストイックな筋トレライフを過ごしている人もいると思いますが、わたしはそこまでストイックな感じではないので、筋トレの後には牛乳にきな粉と黒蜜を混ぜて飲んでいます。

ちなみにこの牛乳にきな粉と黒蜜混ぜるの、めっちゃおいしいから、普通に好きで飲んでる感じです。

牛乳をとりすぎるとがんのリスクが高くなるので注意

参考文献2より引用(上から全ての死亡、心血管疾患による死亡、がんによる死亡のリスクのグラフ)

一方で牛乳の問題点として一番にあげられるのは発がん性です。

上のグラフは横軸に牛乳の摂取量で1サーブあたり240 mLになります。縦軸に上から全ての死亡、心血管疾患による死亡そして、がんによる死亡のリスクを示しています。

この結果を見ると良く分かると思うのですが、牛乳の摂取はがんと正の関連性があります

とくに前立腺がんのリスクを上げると言われていますが、2サーブ(480 mL)くらいまでは大きくリスクを上げることはないようです。

トータルで考えると乳製品は積極的に摂取してほしい

また、同じグラフの全ての死亡をみると、2サーブくらいが最も死亡のリスクを下げていることが分かると思います。

これらのデータをまとめると、確かに牛乳には発がん性はあることが分かりますが、心血管疾患のリスクを下げ、トータルでは死亡のリスクを下げるということが分かると思います。

また、他の食事でも置き換えはできますが、効率的なタンパク質の摂取や、カルシウムの摂取にもつながりますので、個人的には推奨派ということになります。

まあ、そうは言っても、発がんのリスクが上がるのはやっぱり怖いので、ヨーグルトを含め、500 mL以内というの目安に考えるとよいのではないかと思います。

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました。

みなさんはこの記事を読んで牛乳はやっぱり止めた方がいいかなーと思いましたか?

発がん性という点では、やっぱり慎重に考えたほうが良いかもしれませんね。

がんは遺伝的な要因などもありますので、自分がリスクが高いと考えている方などは、牛乳を控えるということも正しい選択肢だと思います

ですが、その分カルシウムやタンパク質をしっかりととることを心掛けないと、今度は骨折や筋力が低下することによるサルコペニアなど、別のリスクにつながることもちゃんと考えたほうが良いと思います。

追加でこれだけは言っておきたい

最後に、1つ追加で書かせてください。じつはヨーグルトは一番マーケットの大きい健康食品ということを知っていますか?
もちろん、美味しいから食べているという人もたくさんいますが、これだけマーケットが大きいと、当然、情報もメーカーのプロモーションの力でゆがめられてしまいます

わたしは牛乳にアンチがいる理由の大きい点はここが大きいのかなと思っていますが、ヨーグルトについては、もちろんプロバイオティクスなど、牛乳にプラスオンで付加価値があると思います。
ですが、ヨーグルトにはそこまで決定的につよいエビデンスはないということは書き加えておきたいと思います。

理由は2つあって、

① たった1つの腸内細菌で決定的に差別化できるほどのプロバイオティクスの研究は進んでいない
② 候補となる菌があっても、薬事法の規制で機能はいえないので、結局今と同じイメージ戦略での販売となるため力の入れ方も難しい

という理由が大きいです。ただ、こう入ってますが、それは過大評価気味という話であって、ヨーグルトを否定するつもりはありません。むしろ私も積極的に食べています。

これは何気に重要な情報かもしれませんが、今回の記事は牛乳に着目したかったので、またいつか、別に記事が書ければいいなと思います。

この記事が何かの役に立ったら嬉しいです。それでは。

参考文献

  1. GBD 2017 Diet Collaborators, Lancet 393:1958-1972 (2019), Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017
  2. Ding et al., BMJ 2019;367:l6204, Associations of dairy intake with risk of mortality in women and men: three prospective cohort studies.

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。

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