健康,  食事

がんにならないために、食生活で気をつけること

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

このブログでは食と健康に関する情報を発信していますが、今回は

GBD 2017 Diet Collaborators, Lancet 393:1958-1972 (2019), Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017

という論文から引用して、どのような食事ががんのリスクを高めているのかをまとめたいと思います。

先にポイントを書くと、

  • 食事が原因で病気になり亡くなる人が22.4%で、そのうちがんで亡くなる人は、約10%なので、全世界の人口に対して2.2%です。
  • 食事の影響が大きい部位は結腸・直腸、胃、食道など、創造道理ですが消化管が中心です。

ということになります。本文のほうでは実際の数値や、どのような食事の影響なのかを詳しく書いていきたいと思います。

がんになる食事はカルシウムの不足、食物繊維の不足、食塩の過剰摂取など

サプリメントのイラスト

それではさっそく結果のほうを紹介していきたいと思いますが、この論文では、メタアナリシスといって、複数の論文を取りまとめて1つの結論を統計的にまとめた論文です。

この論文にまとめられている、不健康な食事が15要因あげられていますが、そのうちでがんとの関係が認められたものは、果物、乳製品、食物繊維、カルシウムの不足と、赤肉、加工肉、食塩の過剰摂取でした。

なんとなく健康に良さそうな野菜や、この論文では非常に高い健康効果を示した全粒穀物にもがんを予防するエビデンスは認められませんでした。

結果は下記の通りとなります。リスク比というのは、がんになって死亡する割合を、健康な食生活を送っている人と比べた値で、高ければ高いほどがんによる死亡のリスクが高いです。

不健康な食事要因がんの部位リスク比
果物の不足唇、口腔内1.042
果物の不足鼻咽頭1.043
果物の不足その他 咽頭1.042
果物の不足食道1.153
果物の不足喉頭1.042
果物の不足気管, 気管支, 肺1.076
乳製品の不足結腸, 直腸1.113
赤肉の過剰摂取結腸, 直腸1.167
加工肉の過剰摂取結腸, 直腸1.179
食物繊維の不足結腸, 直腸1.236
カルシウムの不足結腸, 直腸1.372
食塩の過剰摂取1.205

食事が原因でがんによって亡くなる人は、全世界で2.2%とそれほど多くはありません。食事が原因の病気で亡くなる人が24%いる中で、その約10%程度です。

正直なところ、私の印象では、さほど大きな影響はないので、がんにならないためには、ポイントを絞って対策をすることが大事だと思っています。

この論文から具体的に言えることは、

  • カルシウム、食物繊維をしっかりとること
  • 食塩を取りすぎないようにすること

この2点が大事かなあと思います。

ハムやソーセージなどのような加工肉は何となく発がん性がある印象でしたが、赤肉とほとんど差がなかったので、意外と気にする必要はないかなと思います。

また、メカニズムまで言及されていないのではっきりしたことは言えませんが、乳製品の不足もがんのリスクのようですが、カルシウムと同じ結腸・直腸がんですので、乳製品に限らず、カルシウムを十分摂取できていれば、よいかもしれません。

あとは、色々ながんに対して予防的に働いているのが果物ですね。何が効いているということは全く分かりませんが、これは興味深いなと思いました。

日本人はアルコールと乳製品に気をつけよう!

発泡酒のイラスト

以前に紹介した記事では、がんの危険因子は、たばこがダントツで大きく、つぎに大きいのが肥満で、世界的に見ると、とにかく、肥満とタバコはやばいんだけど、日本人は肥満が少ないので、2番目にアルコールの摂取が来ると言うことでした。

世界的に見た発がん性と日本人での発がん性について、ランキングが大きく入れ替わるほどに違いがあるかもしれないというのは興味深い話です。

今回紹介した論文から同じように、日本独自の考察をするとしたら、日本人は他の国と比較して、特に乳製品やカルシウムの摂取不足が目立っています。

ですので、必然的に乳製品やカルシウムの摂取不足が原因でがんになるリスクは少し高い食文化にあると考えられます。

カルシウムの不足のためには、圧倒的に牛乳がおすすめで、その理由としては、コップ1杯200mLでカルシウムが200 mgとれるという分かりやすい指標が一つの要因です。(ちなみにカルシウムの目標摂取量は600~800 mgとのことです。)

もちろん、小魚なども良いのですが、ある程度まとまった量のカルシウムをとるためには、牛乳を飲むというのが現実解な気がします。

まとめ

子宮がん検査のイラスト

ここまで読んでくださりありがとうございました。

がんと食事については、何回か記事を書いていますが、がんは色々な器官で起こりますし、食事で予防できるという視点では、エビデンスがそもそも少ないですし、どうしても観察研究が多いのでメカニズムにせまった論文も少ないです。

ですが、何回か記事をまとめている中で少し、開けてきたような気もしています。今回のポイントは、

  • 食事が原因でがんで亡くなる人は全世界で約2.2%。
  • カルシウム、食物繊維の不足が大腸がんのリスクを高める。
  • 日本人は特に、アルコールとカルシウムに気をつけよう。

ということになります。日本人で特徴的な要因が浮き彫りになってきているのは、記事をいくつも書いているからこそなので、良かったなと思います。

少しでも皆様の健康に役立てていただければ、とても嬉しいです。それでは。

参考文献

GBD 2017 Diet Collaborators, Lancet 393:1958-1972 (2019), Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。