健康,  食事

がんを予防する3つの食材を紹介!(地中海食のSR)

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。最近、がんと食事のエビデンスについて記事をかかせていただいています。これまで紹介した記事のポイントをまとめると、下記の通りになります。

がんに予防的に働く食生活を心がけよう!(5/12公開)
〇 がんで亡くなる人のうち9.8%が食生活が原因。
〇 食塩の過剰摂取、フルーツ、食物繊維の不足が大きなリスク要因。

がんのリスク要因を調べたら、日本人特有の結果が面白い!(5/13公開)
〇 たばこ、肥満、飲酒の順でがんのリスク要因として大きい。日本人は、肥満が少ないので、飲酒のほうが肥満よりもリスクが大きい。
〇 肥満はほとんどのがんに影響していますが、飲酒は一部のがんしかエビデンスがありません。

上の2つの記事は引用している論文が異なるということもありますが、最初の論文では飲酒を食事の要因の中に含めていないため、まとめを続けて読むと矛盾しているように感じますが、論文をちゃんと読めば、矛盾しているということはありませんでした。

今回の記事では地中海食という最も健康機能のエビデンスが多い食事の研究を通して、がんを予防する可能性のある食事について、記載をさせていただきます。

こちらの記事を読む際に、承知いただきたいことは、がんを治療するのではなく、あくまでも予防のエビデンスです。従いまして、現在がんの治療を行っている方は、(この記事を読んで頂けるのはとても光栄ですが、)あくまでも参考程度にとどめてもらい、お医者様に適切な治療をしていただくことが大切だと思います。

それでは、さっそくエビデンスのほうを紹介させていただきたいと思います。

地中海食ってなに??

オリーブの実のイラスト

まず、今回の記事でとりあげる地中海食について紹介をしたいと思います。Wikipediaからの引用になりますが、地中海食というのは下記の特徴があります。

・オリーブオイル、全粒穀物、野菜、果物、豆、ナッツが豊富で、チーズとヨーグルトは頻繁に食され、魚も食されるが、肉、鳥、卵、菓子の消費は控えめ。
・赤ワインを適度に飲む。
・地中海食で多用されるオリーブオイルや魚介類には、多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれる。
・記憶能力および健康に対する良好な研究結果が繰り返し報告されている。
ー Wikipediaより 抜粋 ー

地中海食の健康機能を研究している論文では、上に記載した食事の特徴をアンケート調査などで分析し、どの程度地中海食に当てはまる食生活をしているかをスコアで表し、地中海スコアという指標で食生活を評価しています。

今回紹介する研究は83の論文の中から選ばれた27の論文をもとに行われたメタアナリシスという方法を使った研究です。この研究では地中海食ががんのリスクをどれだけ抑えるかを、地中海食の中身も含めて解析を行った非常に貴重な研究です。

Schwingshackl L, Schwedhelm C, Galbete C, Hoffmann G. Adherence to Mediterranean Diet and Risk of Cancer: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2017 Sep 26;9(10).

この論文の面白い点は、地中海食全体ではなく、全粒穀物、野菜、フルーツなどその食事の中身にまで分類して論文にしている点で、このように内容を分類して評価しているため、食文化の違う私たち日本人でも、どんな食事を心がければよいか、具体的に参考にすることができるというのがとても素晴らしいです。

果物、野菜、全粒穀物の3つが大事

冷凍野菜のイラスト

まず、食事でどんながんを予防していたのかを紹介したいと思います。

そもそも地中海食がどの程度がんを予防していたのかについて全体の話を紹介したいと思います。下記のデータが、地中海食のパターンに最も良くあてはまる人たちを100%としたときに、最も当てはまらない人たちのがんによる死亡の割合(%)です。つまり数値が低ければ低いほどがんによる死亡の可能性が低いと言えます。

がんによる死亡率(86%) N=14
前立腺がんによる死亡率(96%) N=6
乳房がんによる死亡率(92%) N=1
大腸がんによる死亡率(82%) N=11
胃がんによる死亡率(72%) N=4
肝臓がんによる死亡率(58%) N=2

Nと書いてあるのは、解析につかった研究(論文)の数になります。

これだけみると肝臓がんなどはしっかり抑えているようにも見えます。がんによって論文の数がかなり異なりますが、これはしょうがないんだろうなと思います。

メタアナリシスという方法自体が、非常にエビデンスのレベルが高いですが、中でも論文の数が多い大腸がんや全てのがんによる死亡などは、かなり信頼性が高い結果と言えそうです。

さて、続きまして上の図はすべてのがんのリスクを食材別に紹介しています。ちょっと画像があらくてすみませんm(__)m

こちらのグラフも数値が低ければ低いほど全てのがんのリスクが低いということになります。

果物、野菜、全粒穀物の3つがとくにがんのリスクを下げる食事と言えます。また、適切な量のお酒というのもがんのリスクを下げる結果となりました。

ただ、「適切な量」というのは、お酒を飲むとがんのリスクが下がるという意味ではありません。この記事ではあまり細かく言及しませんが、適切な量というのはちょっとあやしくて、論文によっては一番少ない量ということもあります。

なので、逆に少なければ少ないほど良いという可能性もありますし、そもそも、先日公開した別の記事ではアルコールががんのリスク因子だということが報告されています。

さて、この結果を見ると、全粒穀物、果物、野菜の順番に効果が高そうです。全粒穀物と果物は相変わらず機能が高い食材という点では、どんな研究でもしっかりと再現がとれています。

さいごに

笑顔のお茶の間のイラスト

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回の記事ではがんの予防について、エビデンスを紹介しましたが、わたしがぜひ参考にしたいと思ったポイントが2つあります。

1つ目は全粒穀物と果物の2つは、とても優秀な食材です。ぜひ皆様も取り続けていただきたいなと思います。
2つ目はわたしの中で一番大事な機能性食材の一つである魚介類であまり効果が見られなかった点です。

今回の研究はいくつもの論文を統合したメタアナリシスでエビデンスレベルもとても高いです。一つ一つの食材についてはそこまで細かい考察はないのかもしれませんが、魚介類であまり効果がなかったというのは個人的には残念だったなと思います。

和食のポイントは発酵食品、魚介類、大豆などの摂取が多いことにあります。一方で日本では果物の価格がとても高いことから、果物の摂取量が少ないことや、全粒穀物をほとんど食べないこと、塩分摂取量が多いことなどが課題です。

今回の結果では、全粒穀物や果物ががんを予防し、魚介類は効果が期待できないという結果でしたので、これだけ見ると、単純に和食に切り替えるだけでは、がんを予防しにくいように感じます。

積極的に全粒穀物や果物などを摂取するように心がける必要があるかもしれません。また、最後になりますが、別の論文では、食塩もがんへの影響が大きいということでしたので、合わせて塩分摂取量を気をつけるとよいと思います。

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。

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