健康

歯周病かもしれないと思ったら最初に読む記事|原因と家庭でできる対策

2022-02-09

歯周病について皆様、どの程度ご存じでしょうか?

日本人の約8割が歯周病だと言われることがあるほど、多くの方が歯周病ですが、自覚症状が出ないことや、健康診断などで口腔内の状態を見てもらう訳でもないため、軽く見られがちなのではないでしょうか?

でも、歯周病は口の健康だけでなく、全身の健康に関わっているという報告が沢山あります。また、歯周病は「病」という字がつくように、既に治療や適切な管理が必要な状態で、決して軽視してはいけません

この記事では、歯周病に関する情報をまとめました。歯周病について、あまり良く分かっていない方や、詳しい情報が欲しいという人に向けてまとめました。

Pon(ブロガー・食品開発・疫学研究)
この記事を書いているPonは、食品メーカーの研究職で、大学で公衆衛生を学んでいます。食品の機能性研究を中心に、健康に関する情報をBlogやTwitterで発信しています。

歯周病ってどんな状態を言うの?

はじめに、歯周病の定義についてまとめたいと思います。歯周病って言っても、一般の方はあまりわからないんじゃないかと思います。

歯周ポケットが深いなどの言い方がされますが、定期的に歯医者に行かない方は歯周ポケットすらも良く分からないのでは?と思います。

この章では、歯周病の定義やどれくらいの方が歯周病なのか、そして重症度と歯周ポケットの深さなどについてまとめたいと思います。

歯周病の定義

歯周病は基本的には口の中の細菌によって起こる炎症性の病気です。歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨などの歯周組織で起こります

歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨というのは、歯をささえる肉や骨、そしてその間を埋めているセメント質のことを言いますので、歯に直接触れている歯茎のことです。

歯茎の炎症などから始まり、これらの歯茎の組織に細菌が付着し、歯周組織を溶かしていくというのが歯周病の進行プロセスです。

そして、大変厄介なことに、歯周病が進行し、歯根膜、歯槽骨といった組織が溶けてしまった後は、基本的には再生することができないのです。

一応、ケガなどによって起こる外傷性の炎症も歯周病に含まれますが、この記事では、細菌由来の歯周病を取り上げます。

日本人の歯周病の実態

国の統計によると、35 ~ 69歳の8割以上が歯周病に当たります。ですが、この統計では歯石が付着している場合でも歯周病として数えられているので、一般的にイメージする歯周病よりも多く数えられているかもしれません。

歯石は歯周病菌が凝集したものなので、広い意味では歯周病に含まれますが、中等度の歯周病は歯周ポケットが4 mm以上、重度の歯周病が6 mm以上と言われています。

歯周ポケット(4mm以上)がある人の割合でみると、30代で3人に1人、50代以上で2人に1人くらいの割合になっています。

この割合を見ると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病よりも遥かに多くの方が歯周病に罹患していると考えてよいです。

表 年代別、中等度以上の歯周病の割合

年齢階級4mm未満4mm以上歯が無い
30-3466.9%33.1%-
35-3960.5%39.5%-
40-4455.1%44.9%-
45-4955.4%44.6%-
50-5445.5%54.1%0.5%
55-5950.6%47.8%1.6%
60-6438.7%57.9%3.4%
65-6934.9%60.5%4.6%

ポケットの深さなど

では歯周ポケットはどの程度の深さだと注意したらよいのでしょうか?

既に述べましたが、日本歯周病学会のガイドラインでは、4 mmを中等度と6 mmを重症の歯周病の基準にしているようです。

歯周病が中等度以上進んでいると、歯茎が腫れたり、出血があります。そして重症になると歯がぐらぐらします。ですが、歯周病が怖いのは、あまり自覚症状がないまま進行してしまう点にあります。ですので、出血や歯茎の腫れが気になったら、すぐに歯科に見てもらうことが大事です。

歯周ポケットの深さは歯科で歯石の掃除をお願いすると測ってくれます。歯並びやブラッシングなどにもよると思いますが、歯石はちゃんと歯磨きをしていても、ついてしまうものですので、定期的に行うことがとても大事です。わたしが通っている歯科医院では半年に1回くらい、歯石の清掃と歯周ポケットの確認をすることをおすすめしています。

軽症4 mm未満自覚症状がほとんどない
中等度4 - 6 mm未満出血や歯茎の腫れがある
重症6 mm以上歯がぐらぐらする

なんで、歯周病は怖いの?

歯周病は、ほとんどの方が意識をしません。その理由は自分で気づける症状が少ないことと、歯周病の怖さがあまり良く分からないことにあると思います。

この章では、歯周病によって、具体的にはどのようなことが私たちの体に起こるのかを紹介したいと思います。

歯周病は病気

まず、大前提として頭に入れておいた方が良いことは、歯周病は「病」という言葉がつくので、疲れがたまっているとか、腸内環境があまり良くないなどのような、「不調」を表す言葉ではなく、明確な病気です

病気は生理的、精神的な機能障害によって、健康な日常生活を営めない状態と定義されます。

歯周病の方は、自分が病気なんだということを頭に入れておく必要があります。

そして、ちゃんと専門家に見てもらいながら治療を行うことが大切になります。歯科は継続して通うのが面倒だったりしますが、どうしても自覚症状がない病気なので、健康診断のように、最低でも年に1回、そして、歯周病と診断された場合には3ヵ月~半年に1回は歯科にかかり、ケアをしていくことが大切かと思います。

歯が抜ける

では、歯周病によって、具体的にどんなことが起こるのでしょうか?

最も代表的なことは歯が抜けてしまうことだと思います。歯周病が進行している状態の場合には、歯の根本にあたる歯周組織(セメント質、歯根膜、歯槽骨)が細菌によって溶けています。

さらに、炎症によって免疫機能も低下してしまうため、口腔内の悪い細菌が繁殖しやすくなっています。そのため、歯周病の進行がどんどん加速していき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病の場合は外傷によって歯が抜け落ちるのとは異なりますので、歯周病の状態によっては、一気にたくさんの歯が抜け落ちてしまうというのがとても恐ろしいです。

全身に影響する

歯周病は歯の病気にとどまらず、全身性の疾患に影響していると言われます。これは、歯周病が全身の疾患の原因となることもあれば、その逆もあり、相互に関連があるようです。

歯周病が原因で起こる主な全身性疾患

  • 血管障害性疾患
    歯周ポケット内の細菌によって炎症を引き起こす外毒素(リポ多糖)という成分が増加します。さらに、この外毒素が出血が起こっている歯茎などから血管に侵入し、動脈硬化、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)など、血管の炎症を引き起こします。
  • 誤嚥性肺炎
    誤嚥してしまった時に、口腔内の細菌のバランスが悪いと、日和見感染を起こしたりするような有害な細菌が肺に入ってしまいます。そして、誤嚥性肺炎が発症してしまうことがあります。
  • 早産・低体重児
    歯周病(中等度以上)の母親は、そうでない母親よりも早期低体重児を出産するリスクが高いことが報告されているそうです。
  • 糖尿病
    歯周病の炎症によってTNF-αという物質が増加しますが、このTNF-αは血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効き目を悪くするため、糖尿病を悪化させる可能性があります。
  • 関節リウマチ
    関節リウマチは重篤な自己免疫疾患ですが、関節リウマチ患者には歯周病が多いことや、歯周病と関節リウマチに共通の原因が多いです。中でも、炎症性によって産生する物質が全身の組織を破壊している可能性があります。
  • その他
    慢性腎臓病(CKD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの発症や進行に影響を与えているそうです。

歯周病の原因

歯周病の原因はご存じでしょうか?磨き残しなど、日常的なケアが不十分だったことが原因だと思っている人が多いと思います。

これは、正解ではあるのですが、100%正解ではありません。というのも歯周病の進行状況によっては、歯周ポケットが深い場合にはブラッシングにも限界がありますし、口腔ケアではなく、タバコや間食など、生活習慣を見直す必要もあるからです。

この章では、歯周病の原因をまとめたいと思います。

歯周病の進行プロセス

歯周病が進行するプロセスを簡単にまとめると、

  1. 歯周病の原因細菌によって、炎症が起こったり、歯の土台となるセメント質、歯根膜、歯槽骨などの歯周組織が解ける。
  2. 歯と周辺組織を接合させる付着組織が無くなり、歯周ポケットとなる。
  3. 歯周ポケット内で増殖しやすい細菌(嫌気性菌)が繁殖し、さらに炎症を引き起こす。

という流れになります。

ポイントだと思うのは、1の段階ではブラッシングや歯科での定期的な歯石除去などが効果的だと思うのですが、一方で、2,3になってくると、ブラッシングも大事ですが、自分だけで対処するのはとても難しいです。

とくに歯周ポケット内の細菌は、深い所に付着しているので、ブラッシングではなく、歯科で洗浄してもらう必要があります。デンタルリンスなど、家庭でもできる対策もありますが、一度失ってしまった歯周組織が再生することはほとんどないため、それ以上進行しないように、歯科に相談し、適切な対応をすることが大事だと思います。

どんな細菌が歯周病を引き起こすの?

歯周病を引き起こす細菌はだ液に含まれている細菌と組成が異なることが知られています。その理由は、歯石は細菌が凝集し、さらにベトベトした膜(バイオフィルム)で覆うような構造をとることで無酸素状態になっています。

さらに、歯周ポケットが深くなると、より酸素が少なくなります。つまり、歯周病菌は酸素がない環境を好む嫌気性菌となるため、だ液中の細菌とは構造が異なるということです。

歯周病の原因菌として一般的な細菌には下記のような細菌があります。

  • Porphyromonas ginigivalis
  • Tannerella forsythia
  • Aggregatibacter actinomycetemcomitans
  • Fusobacterium nucleatum
  • Treponema denticola

このような細菌の名前を覚える必要はさほどないと思いますが、歯周病という特殊な口腔内環境で増殖しやすい細菌だということは歯周病を知るうえで大切なポイントかなと思います。

また、これは知っている方も多いと思いますが、歯石(プラーク)はただの磨き残しではなく、歯周病細菌が凝集したものです。ですので、歯石があるという時点で、広い意味で歯周病と呼ぶのにはこのような理由があります。

参考歯周病患者と健康な歯の人の口腔内細菌は全く組成が異なる衝撃的結果

歯周病は歯周病菌が凝集し、歯石となって歯ぐきに炎症を起こしたり、歯の根元となる歯周組織を溶かします。初めは歯ぐきの腫れや出血が起こり、やがて歯が抜け落ちてしまう非常に怖い「病気」です!この記事では歯周病と健康な人の口腔内細菌の違いを、欧州の研究から紹介したいと思います。

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歯周病を予防するにはどうしたらいいの?

それでは、歯周病予防について具体的な対策をいくつか紹介したいと思います。

まず、ここまでに何度か繰り返しているのは、歯周病が進行してしまうと、歯の土台となるセメント質、歯根膜、歯槽骨などが歯周病細菌によって溶けてしまい、その後の修復は難しいと書きました。

海外の論文なども含めて、いくつも調べてみたのですが、一般的なケアで修復できるといった情報はほとんどありませんでした。従って、一般的に可能な対策はクリーニングによる歯周病菌の除去とそれによる歯茎の炎症を抑え、全身性の二次障害や歯周病の進行を止めることにあると思います。

歯周病を治すという謳い文句を掲げている歯科医院もありましたので、チェックしましたが、その信ぴょう性やエビデンスについては確認ができなかったので、ここでは情報をのせることは控えます。

ブラッシングなど日常のケア

まず大事なのは日ごとの、口腔内のクリーニングです。

歯磨きはされていると思いますが、必要に応じて電動歯ブラシ、デンタルフロスなどを使用してクリーニング効率を上げることや、デンタルリンスを使用してその後の歯周病細菌の増殖を抑えることがとても大事です。

下記に、いくつかわたしが使っている歯周病対策の口腔内ケアぷグッズを紹介したいと思います。ただ、読む前に分かっていて欲しいのは、わたしは完全に素人で、情報はかなり個人的な意見になります。

また、正直なところ、歯科関連情報は明確なエビデンスがなさそうです。歯科関連の情報で、明確にエビデンスレベルで伝えられることは、ちゃんとブラッシングを行うことが大事ということと、フッ素塗布やフッ素配合の歯磨き剤を使用することの2つくらいな気がしています。ですので、エビデンスレベルの話をする場合には、今回紹介するものは、強く推奨というよりも、やらないよりはやった方がいいよねというレベルのが多い気がします。

このことを踏まえた上で読んで頂ければと思います。

口腔内ケア、オススメ品5選

ブラウン 電動歯ブラシ オーラルB

まず、個人的に使っていて圧倒的にオススメなのが、このブラウン社の電動歯ブラシです。

電動歯ブラシは覚えているだけでも3台目くらいなので、割と使用歴が長いのですが、ブラウンの電動歯ブラシは他社と比べて圧倒的に満足度が高いです。

おすすめするポイントは、下記の3点です

  • 磨いた後のさっぱり感
  • 替えブラシの購入ストレスがない
  • (比較的)値段が手頃

電動歯ブラシは安いものだと2000円台~で、高いものだと10000円近くするのですが、値段が高い物を選べばよいのかも良く分かりません。その中で、ブラウン社の電動歯ブラシは値段は中程度です。最安の価格帯ではないのですが、比較的購入しやすい価格帯です。

ブラウン社の特徴はブラシが回転式と言うことです。回転式と振動式(音波など)ではさほど洗浄力に差はないようです。ですが、使っていて磨きやすいと感じるのは回転式です。

これは、おそらく振動式はブラシを当てるだけなのに対して、回転式の場合には実際に磨いているのが実感できるので、ここは磨いたな!と言うのが分かるからだと思います。この特徴は、磨いたときのさっぱり感にもそのまま現れます。

本質的な話をすると、さっぱり感というのは、ちゃんと磨けているかどうかとは、直接関係ないのですが、使っていて満足感は変わるかなと思います。

でも、私が思うには、一番重要なことは、替えブラシの購入です。電動歯ブラシは使い続けることができますが、替えブラシは消耗品になるので、数か月ごとに購入が必要です。ブラシが古くなると明らかに磨けていないことが分かるので、ブラシの交換は歯ブラシ、電動歯ブラシに関わらず、ブラッシングのキモの一つです。

ちなみに、古くなったブラシはブラシの根元に細菌もたまってしまうので、歯周病菌などを口腔内に塗り広げてしまうリスクすらあります。

そのため、近くのドラッグストアや通販などで気軽に購入できる替えブラシがあるメーカーを選ぶことが私としては、とても大事な条件でした。どちらでも購入できない場合には、メーカーから直接購入する必要がありますが、その場合には、値段が高い上に、とても面倒です。

ブラウンの電動歯ブラシは本体も、替えブラシもたいていのドラッグストアに売っているだけでなく、他のメーカー製のバルクの替えブラシまで売られています。替えブラシで路頭に迷いたくないという人は、圧倒的に安心感があります。

また、替えブラシでバルク品があるのはブラウンの圧倒的な認知度の高さを示している証拠でもあります。下記に正規品の替えブラシとバルク品を紹介します。(私は正規品を購入しているのでバルク品の品質までは言及できないので、ご自身の責任で使ってみてください。)

【正規品の替えブラシ】
※ 対応機種やブラシの形をよく確認して購入してください

【バルク品のブラシ】
※ 対応機種やブラシの形をよく確認して購入してください

モンダミン・プレミアムケア

液体歯磨きはブラッシングをすることが前提で、洗口液は歯磨きは必要なくブクブクうがいで口腔内のケアをするものです。

ここで紹介するモンダミン・プレミアムはマウスウォッシュ(洗口液)になります(ノンアルコールタイプもあります)。ポイントは値段が手ごろなうえに、他社品よりも殺菌にウェイトを置いているため、歯周病予防、虫歯予防に非常にオススメです。CPCなど殺菌成分で口腔内の歯周病菌を殺菌し、口腔内のpHを酸性にすることで歯周病菌が増加しにくい環境を整えてくれます。

正直なところ、ブラッシングは大変です。人によってはそこまでケアする時間がないので、どうしてもブラッシング時間も短くなりますし、そもそも、ブラッシングは技術です。丁寧に行っているつもりでもちゃんとできていないことだって大いにあります。

この大変さをカバーする方法として手っ取り早いのが、20秒程度のブクブクうがいで口腔内洗浄を行うことで、かなり口腔内ケアのサポートをしてくれます。

ブラッシングが不要なため、洗面所ではなくキッチンに置いているのですが、これが結構お気に入りのポイントだったりします。皿を洗いながらでもできるし、我が家は女性3人が洗面台の前を占領していても使用できます。

一方で、口臭予防などは他社品よりも効果が低いようです。口臭予防としてミント系の香料が含まれていて、マスキング効果はあるのですが、実際に消臭するには二酸化塩素が含まれているものがおすすめなようです。

ちなみにランキングサイトのmy-bestでとても丁寧に解説されている記事があります(LINK)。

ガム・デンタルリンス

続いては王道中の王道、液体歯磨きのガム・デンタルリンスです。みなさまは、はみがき前にブクブクうがいで汚れをざっと落としていますでしょうか?ざっと汚れを落とすだけでなく、汚れを浮かせてくれるので、ブラッシングの効果もでやすくなります。このときに、わたしは液体歯磨きと歯磨き粉の両方を使うようにしています。

サンスターのデンタルリンスはいくつかあり、一番オーソドックスなものがこちらのガム・デンタルリンスです(ノンアルコールタイプもあります)。ブラッシング前にこれでブクブクうがいをすることで、歯周ポケットの細菌に対して殺菌作用があります。基本的には歯磨き粉の代わりですが、歯周ポケットに入っていくので、歯磨き粉の上位互換と考えていいと思います。

もちろん、他社にも類似品がありますので、こちらの製品にこだわる必要はないと思います。値段や使ってみた時のさっぱり感など、お好みで決めていただければよいと思います。ですが、こちらのポイントは歯周病対策で重要なCPCとTXAの両方が含まれている点かなと思います。

ちなみに、先ほど紹介した洗口液は歯磨きの役割を兼ねる目的もあるため、口腔内の洗浄に長けていますが、歯周病ケアを最優先に考えると殺菌力が高いものを選ぶのがおすすめです。

普通の歯磨き粉やジェルを使用する場合にはフッ素濃度が1000ppmを超えているものが断然お薦めです。個人的には、歯磨き剤に関しては、フッ素が唯一絶対的にエビデンスが高い配合品となるので、フッ素濃度が高ければ高いほど良いと思っています。商品を見ると、ライオンのフッ素ジェルがこの条件を満たしているものが多く、圧倒的にオススメです。うちでは、子供が通っている歯科医院に売っている"Check-up"という商品を使っています。

歯間ブラシ・デンタルフロス

こちらも王道中の王道なので、わざわざここで記載する必要もないかもしれません。

デンタルフロスや歯茎用の歯間ブラシなど、色々と試してみたのですが、最終的にわたしが落ち着いたのは、このブラシタイプの歯間ブラシでした。消耗品なので、一番安いのを買うようにしていますが、ブラシの目が細かいものの方が明らかに使い心地が良いので、選ぶポイントにしています。

デンタルフロスは巻き取り式のものが一番汚れが取れている感じがあるのですが、わたしはうまく使えなかったので、F字型のものを使用しています。

歯間ブラシの場合には、硬すぎて傷がついてしまうなどの問題があるので、材質が柔らかいゴムとなっている歯間ブラシを使うのもおすすめです(小林製薬の柔らか歯間ブラシなど)。ですが、使い捨ての歯間ブラシはブラシになっている個所が短いので少し磨きにくいです。使うときには、鏡で見ながら丁寧に磨くようにすると良いと思います。

使い捨ての歯間ブラシは通販でまとめて購入するのがおすすめです。(全然値段が違います!)

私はゴムタイプよりも普通のブラシタイプの方が、磨いているときに心地よく感じるので好きです(全然違います)。ゴム製の場合は柔らかいので傷になったりしないのがよいです。

形がL字になっているものとI字のものがありますが、奥歯のブラッシングのためにL字がおすすめですが、わたしは最近はI字のものを使っています。

また、歯間ブラシはサイズもいくつかあります。初めて歯間ブラシを行うときは、ブラシが通らないので、サイスが小さい物から順番に試してみるのが良いです。

ロイテリ 乳酸菌サプリメント

最後に紹介するのはサプリメントです。わたしがおすすめするのは、ロイテリ菌という乳酸菌の1種が含まれているサプリメントです。

歯周病の原因となるのは口腔内細菌です。そして、この口腔内細菌のバランスを直接改善するには、やはり口腔内細菌を直接摂取するというのは重要なポイントになります。

そして、数あるサプリメントの中で唯一機能性表示食品となっているのがこのロイテリという商品です。

ロイテリというのは、ロイテリ菌という乳酸菌の名前からきていますが、ロイテリ菌は口腔内細菌のバランスを改善するエビデンスが最も多い細菌です。

ただ、1つ覚えておかなければいけないのは、サプリメントで摂取した細菌が口腔内に定着し、もともと繁殖している歯周病菌に置き換わるのは基本的には困難です。わたしは、少しでも口腔内環境が良くなったらいいなくらいの感覚で摂取しています。

ブラッシングなどの口腔内ケアをていねいに行ったうえで、マウスウォッシュで歯周病菌を殺菌した後にロイテリ菌を摂取することが大事です。

参考口腔脳フローラを改善する機能性表示食品”ロイテリ”を分かりやすく解説

機能性表示食品の中に口腔内フローラを改善するロイテリという商品をご存じですか?この記事では口腔内フローラを改善する機能性表示食品、ロイテリの届出資料から、ロイテリ菌という細菌にどのようなエビデンスが報告されているのかを紹介したいと思います。

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食生活を見直そう

次に、歯周病予防のために気をつけたい食生活について紹介します。食事は口腔内環境に大きくかかわるので、歯周病との関連も強いです。

ですが、やはりちゃんとしたエビデンスとして言えるのは、甘いものは虫歯の原因だよ~程度のものです。歯科分野は研究が少ないのかもしれません。

その中でも、特に意識すると良いことに下記のことがあります。

  • さまざまな食材を規則正しく、バランスよく食べる
  • 間食(とくに砂糖)を控える
  • 乳製品の摂取を意識する

正直なところ、特別なことはありません。バランスのよい健康な食事を心がけ、慢性疾患の予防を通して、歯周病を予防しましょう。

また、間食、とくに甘いものや炭水化物を多く含む間食をすることで口腔内が、細菌が増殖しやすい環境となり、虫歯はもちろん、歯周病の進行を促進します。

そして、その他、ビタミンCやビタミンDの不足も歯周病と関わるようですが、食材としてエビデンスとして面白そうだと思ったのは乳製品です。

これは乳製品に含まれるカルシウムが歯周組織の再生に働くことに加え、乳製品が口腔内細菌のバランスをよくする可能性が高いためです。中でもヨーグルトはしっかりとしたエビデンスもあり、もしかしたら口腔内環境を改善する優良食材かもしれません。

ちなみに、下記のロイテリというヨーグルトは、先に紹介した機能性表示食品で口腔内フローラの改善をうたっているサプリメント商品のヨーグルトです。

ヨーグルト自体が歯周病予防に効果的なうえ、口腔内フローラのバランスを整えるロイテリ菌が含まれているのでかなりおススメしたい商品ですが、毎日継続して食べるには高いかもしれません。

規則正しい生活習慣を送る

最後に歯周病予防に重要なこととして、睡眠や運動を含め、規則正しく過ごし、生活習慣病の予防を心がけることがとても大切です。

私たちの全身の健康状態は歯周病との関連が大きいです。

結局のところ、歯周病の進行を予防するには、日ごろの口腔ケアと健康な生活習慣に尽きるので、しつこいかもしれませんが最後に書きました。

さいごに

この記事では、多くの方が気にされている歯周病についてまとめました。

歯周病は国民病の一つで、最近では多くの方が気にするようになっていると思いますが、その一方で、情報が少なかったり、偏っている印象もあります。

医学研究に比べてエビデンスが限られているのではないかと思います。気になる情報が見つかったときにはまた紹介したいと思います。

また、もし本気で歯周病ケアをご家庭で徹底的に行うのでしたら、最初は電動歯ブラシ、デンタルリンス、歯間ブラシの3つをまだ持っていないようでしたら是非試してみると良いと思います。

それでは。

参考文献

  • 日本歯周病学会編、歯周治療の指針2015 LINK
  • 厚生労働省、平成28年歯科疾患実態調査結果の概要 LINK
  • この記事を書いた人

Pon

食品会社勤務の元企業研究員(PhD)。食の機能性研究、腸内細菌の研究をメインにしていました。興味関心は公衆衛生、疫学、食品の機能性。好きな食べ物はカレーと杏仁豆腐。コテンラジオ、キングダムが好きです。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Xやブログで発信しています。

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