はじめに
こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。先日、下記のようなツイートをしました。
私としては、とても大事で有用な情報だと思ったんですが、このツイートが全くもってうけない・・。とはいえ、やっぱり大事な情報だと思いますので、このようにブログにさせていただきます。
さらっとした記事になるかもしれませんが、読んで頂けたら嬉しいです。
この記事のポイント
- 米国でロックダウン後に外食店でのマスクの着用を義務付けた州と義務付けなかった州でCOVID-19感染者を比較した
- マスク着用を義務付けると、義務付けない場合と比べ、COVID-19感染者が10分の1、死者が5分の1となりました
▶ Pon(ブロガー・企業研究員)
食品企業で働きながら、社会人大学院生として博士課程にも在学しています。腸内環境や公衆衛生に興味があります。Twitterはこちら。気になった論文の紹介などをしています。
そもそもマスク会食に対する反応はとても微妙
吉村知事がマスク会食をまん延防止重点措置で義務化
はじめにマスク会食については、4/5に大阪にて「緊急事態宣言」に次ぐ措置として、「まん延防止重点措置」を発令し、その中でマスク会食が義務付けられました。
また、義務化まではいかないものの神奈川県でもマスク会食を推奨するというスタンスを進めているようです。
市民の反応は非常に微妙
これに対してのTwitter界隈の反応を見る限りでは、非常に厳しいコメントが並んでおります。どのコメントも最もな意見なのですが、なかなか激しいコメントが多かったです。
代表的な意見としては、下記のようなコメントに集約されていくのかなと思います。
食事中にマスク着用は無理でしょ~。そこまでして会食なんかしたくありません。
マスクしてたら会食がOKなの?おかしいでしょ!会食自体を禁止にしなきゃダメ!
お店側としては、お客様にマスクを付けなさいと言うのは難しいです・・・。
など、基本的には否定的な反応が大半を占めておりました。
また、NHKのニュースでは専門家(某大学教授)のコメントも入っていて、「やらないよりはやったほうがよい」というあまりどうでも良いようなコメントがされていて、けっこう冷ややかな目で見られているのかな?と思いました。
かれこれ1年以上家族以外の人と外食をしていない私としては、仮に外食をする場合には細心の注意を払うと思うので、それこそマスク会食というのはエチケットとして当然なのかなとは思いますが、このような意見が出ることも、よく理解できます。
外食店でのマスク着用義務化による感染予防効果を推定した論文
試験の方法
今回はレストランでのマスク着用義務化の効果を検証した論文を紹介したいと思います(参考文献)。
この論文は米国50州+ワシントンDCでCOVID-19によるレストランの封鎖を行い、その後、営業を再開させるタイミングで
- マスク着用を義務化した州
- マスク着用を義務化しなかった州
に分けてその後の感染者および死亡者の推移を調べた研究です。
結果
ここからがこの論文の結果となります。まずは感染者の比較ですが、なんとマスク着用を義務化することで10分の1に過剰な感染者が抑えられるという結果だったのです。
これは普通にすごくないですか。グラフを見てもすごい差があります。
ちなみに会食自体をずっと禁止にしても、どうしても気が緩んだり、我慢できなくなってしまうので、すこ~し感染者が上がっていきます。
このデータだけ見ると、経済活動を完全に止めてしまう場合の問題も考慮して、会食自体の完全な禁止ではなく、マスク会食という落としどころは良いのかなと感じます。
続いて死亡者の推移も見たいと思います。
上の図がCOVID-1による死亡者の予測推移となります。
感染者数よりは効果がちょっとだけマイルドですが、5分の1くらいに過剰な死亡者を抑えられるという結果になります。
医療崩壊の観点では重症化が特に重要だと思いますので、死者の予測推移の方が参考になるかもしれません。
さいごに
今回の記事はここまでです。さらっとした記事だったかもしれませんが、とても大切な内容だったのではないかと思います。
マスク会食については、確かに色々思うことはあるかもしれません。ですが、マスクの原則は「咳エチケット」です。つまり、自分が感染していたと想定して、周りにうつさないためのマナーです。
もちろん感染予防のマスク着用も大事ですが、そこにこだわって考えすぎると、どんどん対策は重くなってしまいます。ですので、まずは自分が話すときにはちゃんとマスクを着用して、周りに絶対にうつさないこと。
これをみんなが徹底することができれば、意外と感染拡大は抑えられるのかもしれないなと私は感じました。
この論文を見て、色々言われているみたいだけど、ちゃんと説明をすれば、マスク会食も悪くないんじゃないかな?と思った方は、是非共有していただきたいなと思います。
ありがとうございました!
参考文献
Kaufman, Brystana G et al. “Comparing Associations of State Reopening Strategies with COVID-19 Burden.” Journal of general internal medicine vol. 35,12 (2020): 3627-3634. doi:10.1007/s11606-020-06277-0