はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。
わたしのブログでは食と健康に関する情報を発信しています。今日は豆類について記事を書きたいと思います。
豆類というと大豆、小豆、緑豆、ひよこ豆・・・など様々あるのですが、今回は大豆そして納豆に絞って記事をまとめたいと思います。
他の豆類についても書きたかったのですが、最初に紹介するのはわたし的に「いいかんじ」の論文にしたいな~と思い、1月に公開された国立がん研究センターの大豆の研究を記事にすることにしました。
Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study
BMJ 2020;368:m34
この研究では、大豆食品を発酵食品、非発酵食品に分けて死亡リスクを評価した論文で、納豆の機能で特に話題となりました。
死亡リスクを一番下げた大豆食品は納豆!
マメ類と言ってもいろいろあるので、ポイントを整理します
さて、タイトルそのままですが豆類といっても色々あります。
基本的にはタンパク質が多く含まれているという特徴がありますが、そうは言っても結構栄養成分は違います。
今回の記事では大豆に特に着目しているので、他の豆だとどうなんだろうと思うかもしれませんが、その参考になればと思い、簡単にまとめました。
炭水化物% | タンパク質% | 脂質% | 食物繊維% | |
大豆(全粒、乾) | 30 | 34 | 20 | 18 |
小豆(全粒、乾) | 59 | 20 | 2 | 18 |
いんげんまめ(全粒、乾) | 58 | 20 | 2 | 19 |
えんどうまめ(全粒、乾) | 60 | 22 | 2 | 19 |
ひよこまめ(全粒、乾) | 62 | 20 | 5 | 16 |
で、この表では何が言いたかったのかというと、豆類は全体的に、タンパク質や食物繊維が多いという特徴があって、脂質は低めなのですが、大豆は結構、栄養成分が特徴的で、炭水化物が少なく、脂質が多いという感じです。
そのため、今回の記事で紹介するのは、あくまでも大豆のデータであって、豆類全般に言えるかは、別途考えたほうがいいかもしれないということを承知いただきたいと思いました。
がん研究センターが納豆と長寿について研究を発表
さて、続いて国立がん研究センターがのデータを紹介していきたいと思うのですが、この論文がニュースリリースされたとき、日本だけでなく、世界からも色々なコメントがあって、納豆を食べると長生きというタイトルに対して、「納豆を食べるくらいなら、死んだほうがいい・・・」みたいなコメントがたくさんあって面白かったです。
海外の方はやっぱり納豆が苦手なようですね・・・。
私は普通に好きだし、健康に良いと思って、できるだけ食べようと心掛けている食材の一つなのですが、子供はあんまり好きじゃないようです。
大豆食品は納豆が特に優秀な結果に
さて、具体的な結果を紹介したいと思いますが、下記のグラフがこの研究の大豆の発酵あり、なしに分けた時の死亡リスクの違いです。
摂取量で5グループに分けたときの、最も食べないグループを基準にしたときの最もたくさん食べるグループのすべての死亡のリスク比になります。
グラフが少し分かりづらいのですが、値が1より小さい場合にはリスクを下げるということです。すべての大豆食品と大豆の非発酵食品は、バラつきを考慮すると差がありませんが、大豆の発酵食品は約10%ほど死亡リスクを下げています。
大豆の発酵食品と言えば、納豆と味噌という2大スターがいますが、下記の通り、納豆がどうやら最も良い感じです。ちなみにこのグラフを見ると男女差は結構大きいですね。特に女性では納豆だけでなく、味噌もちゃんと死亡リスクを下げているようです。
納豆は特に循環器疾患に対して予防的に働く
疾患別では循環器疾患と男性の心臓病を抑える!
続いて、死因別にみると、心血管疾患(循環器疾患)と心臓病に効果がありそうです。女性の心臓病はバラつきに埋もれてしまい、効果は言及されていませんが、どうも循環器疾患や心臓病を予防することによって死亡のリスクを下げているようです。
これまで、様々な食材の記事を書かせていただきましたが、やっぱり、食事によって予防できる疾病としては、まず循環器がくるんだなと改めて感じました。
ポイントは絶対量を沢山とりやすいこと?
納豆だけが効果があったのは、あまり細かい言及がなかったので、私の考えも含まれますが、
①納豆は他の大豆食品よりも絶対量摂取しやすい。
②納豆は味噌よりも塩分が少ない。
の2点が大きいんじゃないかなと思います。私は、健康な食事を考えるときに、すごく重視していることがあって、それは絶対量として十分に食べることができるかです。
例えば今回の研究でも評価されていた豆腐は私もだいすきですが、固形分(水分を差し引いた食べる量)で考えたら、ほとんど大豆を食べていることにはならないですよね・・・。こういう場合には、やっぱり健康効果をダイナミックに感じることは難しいんじゃないかなと思います。
そういう意味で納豆は1パック食べると約50 gで、絶対量としてもかなりたくさん食べることになりますよね。
また、お味噌汁は塩分の摂取量が高くなってしまうので、その分も影響したんじゃないかなと思います。まあ、納豆もたれがあるので塩分については何とも言えませんが。
ちなみに今回の研究の中では細かい成分を評価するようなデザインではないのですが、大豆の血圧低下はアンジオテンシン変換酵素という血圧をあげる酵素の働きを、大豆のペプチドといって大豆タンパク質の分解物が邪魔をすることによると言われています。
この大豆ペプチドは大豆を発酵させるとタンパク質が分解されて増えるので、非発酵の大豆食品よりも、発酵した大豆食品のほうが体に良いと言われていますが、今回の研究では、発酵した大豆がよいというよりも、とにかく納豆がいい!という感じですね。
まあ、1つわたし的に確実に言えるかなあということは、同じ発酵食品でもヨーグルトよりは納豆のほうが、ダイナミックに効くんじゃないかなーと思います。そして、単価も安いですね。
まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この論文は個人的には日本らしい研究結果で好きだなあと思いました。今回の記事をまとめると、
〇 大豆食品の中でも納豆は特に死亡のリスクを下げる。
〇 納豆が死亡リスクを下げるのは、特に心血管疾患
〇 大豆食品の効果は男女差が結構あって、女性のほうが効く。
ということになります。
納豆をたくさんたべると長生きしそうです。また、納豆のメリットはとにかく安くて体にもいいこと。そして、人によって意見は違いますが、やっぱり美味しいから続けられるというのも素晴らしい魅力ですよね~。本当に納豆はコスパが最強な食材の一つだと思います。
ただ、基本中の基本な話ですが、一つの食材だけで健康になることはないので、バランスの良い食生活を心掛けつつ、この記事を参考にしていただければ嬉しいです。