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食物アレルギーが発症するメカニズム 二重曝露仮説を紹介します

こんにちは。ここ最近、アレルギーについて記事を書いています。私もアトピーが結構ひどくて、花粉症で、診断まではついていないけれど、ちょっと喘息っぽいところがあるので、アレルギーは関心が高いです。

さて、今回の記事では、食物アレルギー発症のメカニズムについて、記事を書きたいと思います。先日の記事では、子供のときにアレルゲンとなる食品を避けたり、母親が妊娠中や授乳期間中に避けても、ほとんど効果がなかったことを紹介しました(記事はこちら)。

じゃあ、何が原因なんだ?というのは気になると思いますが、その一つの仮説は衛生仮説です(記事はこちら)。ぜんそくや花粉症などのアレルギーはこの衛生仮説で説明ができますが、食物アレルギーについては、衛生仮説に加えて今回紹介する二重曝露仮説が大事です

ということで、この記事では、以下の2つのポイントを中心に二重曝露仮説などについて紹介したいと思います。

この記事のポイント

  • 食物アレルギーの発症には二重曝露仮説というものがあります。
  • 特にアトピーの子供は注意が必要かもしれません。

食物アレルギー発症経路の一つ、二重曝露仮説ってなに?

皮膚と腸の両方で接触することで発症する

早速ですが、食物アレルギーの発症メカニズムの一つと言われている二重曝露仮説というのは、アレルゲンとなる食品を食べていなくても、皮膚で接触することで食物アレルギーとなる。という仮説です。

これは「免疫寛容」と言って、私たちの体のとてもよくできた仕組みが関わっています。

腸の中に入ってきたものを何でもかんでも危険な侵入者だと考えてしまうと、私たちは何も食べれなくなってしまいます。ですので、食べたものに関して、免疫細胞が「あ~、何か腸に入ってきたけど、これは毒じゃないんだな~。」と認識してくれるシステムが備わっています。これが「免疫寛容」です。

一方で、免疫寛容が起こらないと、食べたものを外敵と認識して、免疫細胞が活性化してアレルギーが起こります。このような「免疫寛容」というシステムがあることで、私たちは食品に対して、免疫システムは過敏に反応しないようになっているんです。

一方で、免疫寛容が起こらずに食べ物を外敵と認識してしまうのは、アレルゲンとなる食品が皮膚など、違った経路から体に侵入することが大きな要因と考えられています。

そして、1度、外敵だとインプットされた食品を食べると、腸にあるたくさんの免疫細胞が外敵が来た!と大騒ぎします!これが二重曝露仮説のメカニズムで発症する食物アレルギーです。

要するに、皮膚と口の両方でアレルゲンに触れてしまったために、食べ物なのか、外敵なのか分からなくなってアレルギー反応が起こるという感じです。

アトピーの子供はさらに高リスク

食物アレルギーはアトピーとの関連がとても強いですが、先ほど紹介した二重曝露仮説も特にアトピーの子供で顕著に起こると言われています。これは、アトピーの子供は皮膚のバリアーが弱いため、皮膚からのアレルゲンの刺激が強いことが原因と思われます。

この理由は説得力があるので、すっと理解できるのではないかなあと思います。

それでは、次にこの二重曝露仮説が原因と考えられる怖い事例をいくつか紹介したいと思います。

食物アレルギー発症で大きな問題になった事例

まず、身近な例として蕎麦屋の店主がそばアレルギーなんていう話があります。私もテレビで老舗の有名蕎麦屋が店を閉じた理由を当てろー!みたいなクイズを見たことがあるのですが、その答えがそばアレルギーが発症したためでした。切なかったです。

このように、食べる以外の経路で触れる機会が多いというのが大きなポイントなのですが、国内で大きな問題となった例をあげると、「茶のしずく石鹸」というものがあります。

以下、Wikipediaから引用をしますが、興味があったら調べてみてください。

2005年から2010年に延べ約467万人に対して販売された「茶のしずく石鹸」約4,650万個について、同製品に含有される小麦加水分解物により、小麦アレルギーを発症する事例(重傷者だけでも66人)が報告されており、厚生労働省は2010年10月に消費者に対し、加水分解コムギを使った石鹸全般に対する注意を発表した。
ーwikipedia 「悠香」の記事より引用ー

ちょっと読んだ感じで、深刻さは伝わると思いますが、ここでアレルギー発症の原因となったのは、小麦由来の原料です。石鹸という形で全身でアレルゲンを浴びているので、二重曝露仮説のメカニズムを知っていれば、如何に恐ろしいか分かると思います。

海外では、ピーナッツオイルを含むクリームなどが多く販売されているようですが、これも、ピーナッツアレルギーが増え続けている、一つの大きな原因の可能性もあるのかなと思っていますが、そこまでの情報は調べることができませんでした。

いずれにしても、食物アレルギーの発症には皮膚からの刺激が一つのトリガーとなっている可能性があると考えることがとても大切なのかなと思います。

まとめ

ここまで読んでくださりありがとうございます。子供は5歳くらいまではとくに食物アレルギーを気をつけて!と言いますので、子供が小さい家庭は、この記事の内容を特に注意していただきたいなあと思います。

ただ、私は結婚して、妻の両親から毎週のように大量の桃をもらった結果、桃アレルギーになったので、年齢に限らず気をつけたほうがいいです。(桃、食べるのは好きなので、これは結構ショックでした)

また、食品由来の素材ってなんとなく安全な気がしませんか?

例えば「小麦粉ねんど」とかありますよね。でも今日の記事を読んだら、絶対に使いたくないって思いませんか?随分と前の話ですが、「豆乳を使った顔パック」というのを我が家で使っていたこともあります。でも今日の記事を知っていたら、絶対に買いません。

安心安全のイメージではなく、正しい知識、根拠を元に買い物はしなければいけないなと思わされました。

また、先日の記事と合わせて理解することができれば、過剰に食物アレルギーを避けることが必ずしも正しいわけではないことも理解できるのではないかなと思います。私はアトピーでとても苦労をしているので、少しでもこの記事を読んで、食物アレルギーの対策の参考になったら嬉しいなと思います。それでは。

参考文献

樺島重憲, 卵アレルギーの発症予防ー見えてきた道筋ー, 日本食品科学工学会誌65(6), 320-324, 2018 LINK

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。