健康,  腸内環境

離乳期までの習慣が腸内細菌を決める~腸内細菌が形成されるまで~

こんにちは。この記事では腸内細菌が形成されるまでについて、いくつか論文などを引用しながら紹介したいと思います。

なんとなく子供のときの腸内細菌は大事だよーという言葉を聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか?この記事を読んだら、どうしてそう考えられているのかについては少し分かるかもしれません。

腸内細菌は2,3歳まではダイナミックに変わり続ける

参考文献1より改変引用

上の図は、子供が生まれてから2~3歳くらいまでの腸内細菌をまとめた総説に掲載されていた図です。分類の仕方が、科レベルになっているため、読み方とかちょっと自信ないので、英語表記のままにしてます。

ポイントをまとめると下記のようになります。

  • お腹の中にいる赤ちゃんは腸内細菌はいません。産道を通ったり、母乳を飲むときに乳房から細菌を取り込んで腸内細菌が形成されます。
  • 月齢1ヵ月くらいのころはビフィズス菌が圧倒的に多いです。
  • 月齢6ヵ月頃から徐々に腸内細菌叢(そう)が形成され、多様性が上がっていきます。
  • 2,3歳くらいになると腸内細菌は安定してきます。個人差がありますが、バクテロイド属が優勢な人が欧米では多くなります。

みたいな感じです。

ここで、ポイントだと思うのは、2,3歳くらいまではメチャクチャ変わるんです!なんでかというと、食生活が固定されていないからですね。

月齢6ヵ月くらいから多様性が上がっていきますが、これは明らかに離乳食を開始したことの影響だと思います。

1歳を過ぎてくると今度は、歯が生えてきて、さらにいろいろなものを食べるようになりますね。

このように乳幼児は私たちとは違い、ダイナミックに食生活が変わることがあるため、腸内細菌も大きく変化しているんでしょう。

離乳してしまうと、一度形成された腸内細菌は大きく変わらない

参考文献2より改変引用

では2,3歳でいったん落ち着いた腸内細菌はその後どうなるんでしょう?そんな疑問に対して、なんと1歳から100歳までの腸内細菌を比較した森永乳業の論文があるんです。

すごい論文ですよね。

こういう研究は横断研究といって、疫学者は同じ人を追跡したデータを絶対的なゴールドスタンダードとするので、エビデンスレベルが低いという人がいますが、100歳までサンプルを集めていると振り切れてますよね。

人数が少なくても、横断でも1歳から100歳まで評価した論文なんて、おもしろすぎますし、森永乳業は偉大だなと思います。

で、解説に戻ります。

アクチノバクテリア門というのがビフィズス菌(図にはビフィドバクテリウムと記載)がいるグループなんですが、やっぱり3歳くらいまで下がり続けて、その後はなんと50歳くらいまで大体似たような構成になっていますね。

つまり、離乳食を食べ始めてから3歳くらいまでに腸内細菌の構成はだいたい決まって、その後は、一般的には乳幼児の頃のようにダイナミックに変わることはないと考えられています。

まとめ

以上をまとめると、

  • 腸内細菌は初めはビフィズス菌が多いですが、離乳食を食べ始めてから、様々な腸内細菌が増えます。
  • 3歳ころまでには、だいたい腸内細菌の構成は決まります。その後は、乳幼児の頃のようにダイナミックに変化することはありません。

と言うことになります。

つまり、3歳ころまでに一生の腸内細菌の構成がだいたい決まってしまうし、その腸内細菌を形成するのは、明らかに食事なんです。

じゃあどんな食事が良いのと聞かれても、絶対的な正解はないと思いますが、個人的には消化に悪いので、食べさせる時には注意が必要ですが、食物繊維などを食べることが大事かなと思います。そして、母乳に含まるヒトミルクオリゴ糖が腸内環境に良いとされています

ちなみに、論文のデータは見たことないのですが、腸内細菌は私たちの腸の中で、何世代も生き残りながら、微小な変異を繰り返し、最適化されるそうです。つまり、一回定着した腸内細菌はかなり強固で、1回だけヨーグルトを食べたり、食物繊維を食べたところでほとんど変化することはないみたいですよ。(と講演などで何回も聞いたことがあります)

と言うことで、3歳ころまでの腸内細菌がとても大事だという考えは良く分かったんじゃないかなーと思います。伝わっていれば嬉しいです。それでは。

参考文献

  1. Front Immunol. 2014 Sep 5;5:427. doi: 10.3389/fimmu.2014.00427. eCollection 2014. The Intestinal Microbiome in Early Life: Health and Disease. Marie-Claire Arrieta, Leah T Stiemsma, Nelly Amenyogbe, Eric M Brown, Brett Finlay LINK
  2. BMC Microbiol. 2016 May 25;16:90. doi: 10.1186/s12866-016-0708-5. Age-related Changes in Gut Microbiota Composition From Newborn to Centenarian: A Cross-Sectional Study. Toshitaka Odamaki, Kumiko Kato, Hirosuke Sugahara, Nanami Hashikura, Sachiko Takahashi, Jin-Zhong Xiao, Fumiaki Abe, Ro Osawa LINK

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。

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