穀物・野菜・果物由来食物繊維、日本人
健康,  食事

食物繊維は大事だけど、穀物や果物から摂取することが超大事!

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。さて、今日の記事では食物繊維なんですが、食物繊維の摂取源は穀物、野菜、果物、豆、海藻、きのこなど様々です。

でも、どの食材から食物繊維をとるかということは意外にも大きく健康にかかわっています。特に穀物由来の食物繊維は体に良いということが言われていますが、日本人では否定される結果も発表されています

この記事では、このような食物繊維の摂取減となる食材の違いについてまとめたいと思います。よかったら読んでください。

冠動脈疾患のリスクは穀物と果物が有効

はじめに冠動脈疾患と食物繊維の関係を穀物由来、果物由来そして、野菜由来の食物繊維に分けて調べたメタアナリシスを紹介します(文献1)。

意外とこのように、摂取源に分けて食物繊維の昨日を評価する論文がたくさんあるのでメタアナリシスといって、複数の論文を統合して一つの結論を出すようなエビデンスの強い研究が可能です。

これは、別の言い方をすれば、摂取する食材によって機能が違うという仮説が認められつつあって、エビデンスが蓄積されているんです。

で、この論文の結果は次の通りです、

食物繊維と冠動脈疾患の関係(一番摂取量が少ないグループと比較した摂取量が多いグループのリスク)

冠動脈疾患発症のリスク冠動脈疾患による死亡のリスク
全ての食物繊維0.930.83
穀物の食物繊維0.920.81
果物の食物繊維0.950.68 有意差なし
野菜の食物繊維0.95 有意差なし0.91 有意差なし

これを見ると、穀物由来の食物繊維は果物や野菜由来の食物繊維よりも冠動脈疾患のリスクをおさえているということは言えそうですが、果物に関しては、効果が弱いというよりは、バラつきが大きいのかもしれません。

冠動脈疾患は死亡の原因にもなる怖い病気の一つで、食事の影響も大きい病気ですので、しっかりと食物繊維をとって予防するというのは大切だなぁと思います。

糖尿病もやっぱり穀物由来の食物繊維が有効!

さて、続いて食物繊維と言えば、糖の吸収をゆるやかにするということがよく言われますよね。

そして、やっぱり糖尿病についても食物繊維の由来によって差が出ています(文献2)。

そしてその結果は、

糖尿病のリスク比
全ての食物繊維0.81
穀物の食物繊維0.77
果物の食物繊維0.94
不溶性の食物繊維0.75

という感じの結果でした。もっと古い文献で、穀物由来と果物由来、そして野菜由来の食物繊維を比較した文献でも、

効果の大きさ:穀物>果物>野菜

という結果でした。

野菜の食物繊維の効果が弱いのは少し残念な感じがしますが、この結果は非常に合理的で、糖の吸収をおさえるためには、糖質と食物繊維を一緒に取ることが大事で、穀物や果物は糖質と一緒に食べるので、効果が出たんだろうなということが考えられます。

じゃあ日本人でどうなの?って思って解析したら、ちがう結果!

さて、ここまでの論文というのはメタアナリシスと言って、複数の論文の結果を統合した非常にエビデンスレベルが高い研究だったのですが、日本人だけのデータではありませんでした。

ここでは、日本人だけのデータで同じ解析をしたときに、どのような結果になったかを紹介したいと思います(文献3)。

この論文はがん研究センターが発表した論文です。がん研究センターは本当に素晴らしい研究をたくさん発表しているので、日本人のデータを探したかったら、とても参考になります。

文献3を改変引用
文献3を改変引用

グラフの見方はQ1が一番食物繊維の摂取量が少なく、Q5が一番多いです。青色は穀物由来の食物繊維、赤は豆由来、グレーは野菜由来、黄色は果物由来の食物繊維です。縦軸は死亡のリスクで低いほど死亡のリスクが低いということです。

この結果をみると明らかですが、日本人の結果では、穀物の食物繊維は全ての死亡では、4種類の食物繊維の中で一番効果が低く、循環器疾患では効果なしでした。

ポイントは循環器のグラフを見ると特に分かりやすいですが、他の食物繊維はたくさんとればとるほど循環器疾患の死亡リスクを下げるのに、穀物だけ、思いっきりV字の形ですね。

なぜ日本人では、海外の文献と異なった結果だったかというと、それは日本人で全粒穀物などの茶色い炭水化物が全然食べられていないからなんです。

海外の人で、穀物由来の食物繊維を摂取している人の多くは全粒穀物を食べていますが、日本人の穀物由来の食物繊維はほとんどが白米と食パンなんです。

たとえば白米で食物繊維をたくさんとると、お茶碗1杯、ちょっと多めに計算して0.5gくらい食物繊維がとれると考慮しても、茶碗9杯くらいご飯を食べている計算になります。

普通の人だったら、狂ってるって思うかもしれませんが、リアルにこういう人はいます。2食くらい大盛りで2杯くらい食べる人っていませんか?(そうすると2食でお茶碗8杯分くらいの計算です)

もちろん茶色い炭水化物を食べていて、穀物由来の食物繊維をとっている人も一定数いますが、食事調査をわたしも経験しているので、感覚として分かっていますが、大多数がご飯や食パンをめちゃくちゃ食べている人たちだと思った方がいいです

ですので、日本人でちがう結果になるのは当たり前ですね。

まとめ

ここまで読んでくださりありがとうございました。どうでしたか?

今回の記事をまとめると、

〇 海外のエビデンスでは穀物由来の食物繊維を摂取することが大事!
〇 ただし、日本人は白米などの摂取が多いため、同じ結果にならない。

わたしは穀物の食物繊維はすごく大事だと思っているので、この結果をみてすごく残念な気持ちになりました。

でも、改めて日本人の食生活をちゃんと考えた時に、この結果というのは当たり前だと思っています。

本当に茶色い炭水化物を取り入れることの大事さをしっかりと啓蒙することは大事だと改めて思わされる論文ですね。

ちなみに、冠動脈疾患や循環器疾患は食後の血糖値が高いことでリスクが上がることが知られていますので、今回紹介した食物繊維の機能は基本的に糖の吸収をゆるやかにする機能が関係していると考えていいと思います。

この記事がなにかの参考になったら嬉しいです。それでは。

参考文献

  1. Association Between Dietary Fiber Intake and Risk of Coronary Heart Disease: A Meta-Analysis. Clin Nutr. 2015 Aug;34(4):603-11. 
  2. Dietary Fiber Intake and Risk of Type 2 Diabetes: A Dose-Response Analysis of Prospective Studies. Eur J Epidemiol. 2014 Feb;29(2):79-88.
  3. Dietary Fiber Intake and Total and Cause-Specific Mortality: The Japan Public Health Center-based Prospective Study. Am J Clin Nutr. 2020 May 1;111(5):1027-1035.

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。