ナッツ・手軽・健康・種実

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ナッツ類は、手軽に食べられて健康!でも意外と知らないよね!

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。

わたしのブログでは、食と健康に関する情報を発信していますが、今日の記事ではナッツについて紹介したいと思います。

その前に、ナッツって一体何か分かりますか?wikipediaによると、ナッツの定義は、

種実類のうち、木の実に属するものをナッツと言います。
また、種実類というのは、かたい皮や殻に包まれた食用の果実・種子の総称。
とのことで、ピーナッツは厳密にいうとナッツではないのですが、ナッツに含まれて表記されることもあるそうです。
例:アーモンド、ヘーゼルナッツ、カシューナッツなどなど

こんな感じで、ナッツが何者かお判りいただけたと思いますが、ナッツはとっても体に良いと言われています。

ただ、あまりナッツの機能性などについて深く考えたり、調べたりする人っていなかったと思うので、今回、この記事でまとめさせていただきました。

ナッツは全粒穀物・フルーツに次いで最も健康的な食べ物

文献1を改変引用

さて、早速ですが、上のグラフを見てください。上のグラフは世界195か国の食事を調査した論文の結果でどのような食生活が健康に影響したかをランキングにしています。

そして、この結果を見ると、

1位:全粒穀物の不足
2位:食塩の過剰摂取
3位:フルーツの不足
4位:ナッツ・種子類の不足

となっています。

野菜の不足よりもナッツ・種子類の不足のほうがわたしたちの健康には影響が大きいというのは意外ですよね。

おそらくこれは、野菜は意外と食べられているのに対して、ナッツ・種子類は食べてない人は全く食べていないという影響も大きいのだと思います。

そして、ナッツ・種子類の影響は、病気では特に心血管疾患と2型糖尿病に影響していることが分かります。

わたしが特に興味深いな~と思ったのは、2型糖尿病で、この結果を見ると全ての項目の中でも全粒穀物に次いで影響が大きそうだなという点でした。全粒穀物は、炭水化物なので糖尿病への影響が大きいのが分かりますが、ナッツ・種子類はどうしてだろうと興味深いなと思いました。

そんなわけで、次にこのナッツと糖尿病の関係について紹介をしたいと思います。

ナッツは肥満を予防することで糖尿病を予防している!

ボタンが飛んでいるイラスト(肥満)

ナッツと糖尿病に関するエビデンスを調べると、結構苦戦したのですが、興味深い論文が見つかりました。

ナッツの摂取と様々な死亡の関係を調べたメタアナリシス(たくさんの論文を統合して一つの結論を出す、エビデンスレベルが一番高い研究です)が見つかりました。

そして、この論文では、

「糖尿病とナッツの関係は認められなかった」

という残念な結論がまとめられています。

上のパラグラフで紹介した内容と矛盾してるけど、そんなことがあるのかなあと思って本文まで目を通してみると、下記のグラフが出てきました。

文献2より改変引用

どうでしょうか?BMIで調整するというのは、BMIの影響を取り除くということです。

グラフを見て分かる通り、BMIの影響を取り除かない場合には、明らかに効果があり、BMIの影響を取り除くと全く効果が見られませんでした。

この結果から考えると、ナッツは肥満を予防していて、その結果糖尿病を予防しているんだろうなと思います。

ちなみにω3系脂肪酸の一つであるα-リノレン酸を多く含んでいるクルミはBMIで調整した後でも糖尿病を予防していたようで、ナッツによって多少、効果に違いはあるようです。

わたし的には、ナッツは脂質が多く太りやすいという印象を持っている人も多いと思うので、この結果を見たら、積極的にナッツを食べようと思う人も増えるんじゃないかと思いました。

様々な成分が含まれているのでサプリメントのようにとりたい食材

サプリメントのイラスト

ナッツが糖尿病を予防している理由としては、やっぱりその栄養成分に一番の特徴があると思います。

ポイントとなるのは、

〇 脂質が多く、そのほとんどが不飽和脂肪酸
〇 糖質が少なく血糖値を上げにくい
〇 タンパク質が多い
〇 ナトリウムが少なく、その他のミネラルが豊富

などです。

脂質については先ほども登場しましたが、ナッツにはα-リノレン酸などのように健康に良いとされる脂質が多く含まれていて、こういった成分は心血管疾患や糖尿病に予防的に働くことが期待されます。

また、栄養成分をざっくりと見た時に、低炭水化物、高脂質という点でも、食後の血糖値を上げにくいという特徴があります。

ナトリウムが少なく、ミネラルが豊富というのは、高血圧を予防しますので、まさに心血管疾患の予防に理想的です。

もちろん良質とは言っても、脂質が多いということは単位量あたりのカロリーは高くなりますので、それは注意しなければいけませんが、ナッツの栄養成分というのは、他の食材にない特徴的なプロファイルをしているなあと感じます。

どうしてもカロリーが高いという点で量を摂取するというのは難しいと思いますが、サプリメントをとるように、適量食べ続けるというのがめちゃくちゃおすすめな気がしますね!

まとめ

袋に入ったナッツのイラスト(ミックスナッツ)

いかがでしたでしょうか?ナッツ類って体にいいということはご存じの方も多いと思いますが、あまり気にしている人は少ないのではないでしょうか?

この記事を書きながら私が無性に思っていることは、わたしが会社に置いている、小腹満たし用のお菓子を、全部ナッツに変えたいなということです。

食生活に何かを取り入れるときには、何かとの置き換えになると思いますが、食事のおかずなどをナッツに置き換えてしまうと、逆に別の栄養成分などが不足してしまうかもしれませんよね。

ですので、お菓子をナッツに置き換えるのが健康を考えると理想的かなあと思います。

個人的には、今まで書いた記事の中でトップレベルで面白いなあと思いました。ナッツがつらいなあと思う点は意外と値段が高いんですよね。

わたしは、「健康」も「おいしさ」も妥協したくないし、メーカーで働いているとある程度食品の原価も見え隠れするので、無駄に値段が高いものは絶対に買いたくありません。(そうは言っても、多分ナッツは買うな)

でも、ひとつだけ言っておくと、健康のために食事を気をつけるということは、瞬間的には費用が掛かるかもしれませんが、医療費を考えた時にはコスパはめちゃくちゃいいはずです。

トータルでかかる費用が小さくなるうえに、健康に生きられるという特典までついてくるんです。ナッツの費用対効果までは分かりませんが、ナッツの影響は思いのほか大きそうなので、是非取り入れることをオススメしたいなあと思います。

わたしもとりいれます!この記事が何かのお役に立ったらとてもうれしいです。それでは。

参考文献

  1. Lancet. 2019 May 11;393(10184):1958-1972. doi: 10.1016/S0140-6736(19)30041-8. Epub 2019 Apr 4.Health Effects of Dietary Risks in 195 Countries, 1990-2017: A Systematic Analysis for the Global Burden of Disease Study 2017
  2. Am J Clin Nutr. 2014 Jul;100(1):256-69. doi: 10.3945/ajcn.113.076109. Epub 2014 May 21.Nut Consumption and Risk of Type 2 Diabetes, Cardiovascular Disease, and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis
  • この記事を書いた人

Pon

食品会社勤務の元企業研究員(PhD)。食の機能性研究、腸内細菌の研究をメインにしていました。興味関心は公衆衛生、疫学、食品の機能性。好きな食べ物はカレーと杏仁豆腐。コテンラジオ、キングダムが好きです。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Xやブログで発信しています。

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