はじめまして。こんにちは。このブログに興味を持ってくださりありがとうございます。この記事は2020年5月18日午後7時に投稿しました。
5月18日は語呂合わせで「ファイバーの日」ということで、今年は、新型コロナ対策もあり、店頭での積極的なプロモーションは行わないと思いますが、スーパーなどでは食物繊維を意識した販売促進がされています。
そんなわけで、食物繊維ってなに?とか、どんな食品に食物繊維は多く含まれるの?といった疑問から、食物繊維って大事と言われるけれどどんな効果があるの?や食品によって食物繊維って違いがあるの?など、栄養などについてあまり知らないよ!という方にこの機会に食物繊維について紹介したいと思い、今回、記事を書くことにしました。
また、少し踏み込んだ健康機能なども紹介させていただきますので、読んで頂けると嬉しいです。
そもそも食物繊維ってなに? 多い食べ物は?
食物繊維というのは、食べ物に含まれる消化されにくい栄養素の総称をいいます。
基本的には消化酵素で完全に分解できないもので、その多くは多糖類であることが多く、食品としては、野菜や果物、海藻類などに、そして部位としては植物細胞の細胞壁に含まれていることが多いです。
また、米や小麦などの穀類の胚乳に含まれているデンプンは加熱することで(アルファー化することで)、消化できるのですが、外皮の部分には消化できない食物繊維が多く含まれています。
1日に必要な食物繊維の量は年齢や性別によって異なりますが、だいたい20 gです。そして、不足している食物繊維の量はだいたい5gと言われていますので、下の表を見ながら、プラス5gのためには、どんな食事をしたらいいんだろう?と考えると良いと思います。
ではどんな食品に多く食物繊維が含まれているのか、ざっと紹介をしたいと思います。
穀物 | 9.6% 大麦(押麦)(乾) 3.7% そば(乾) 3.0% 玄米(乾) 2.7% パスタ(乾) 2.4% うどん(乾) 2.3% 食パン 0.5% 白米(乾) |
豆・野菜 | 17.9% 大豆(乾) 11.5% 大豆(おから・生) 6.7% 納豆 6.1% ごぼう(生) 4.4% ブロッコリー(生) 3.3% たけのこ(ゆで) 2.9% こんにゃく(しらたき) 2.3% さつまいも(蒸) 1.8% キャベツ(生) |
果物 | 4.1% 干しぶどう 3.3% ブルーベリー 2.5% キウイフルーツ 1.9% りんご(皮つき) 1.0% みかん |
きのこ | 7.5% 干ししいたけ(ゆで) 5.2% きくらげ(ゆで) 4.8% ぶなしめじ(ゆで) 4.5% えのきたけ(ゆで) |
海藻 | 5.8% わかめ(水戻し) 3.7% ひじき(ゆで) |
いかがでしょうか?わたしの中で、イチオシの食材を赤字で書きました。
穀類は主食として食べるため、量も多く食べることができるので、食物繊維の量を増やしたい場合にはとてもおすすめです。白米の食物繊維量が低いので、玄米や大麦などに置き換えることでかなり摂取量を増やすことができます。
豆類・野菜類は、圧倒的に豆類のほうがたくさんの食物繊維をとることができます。中でも大豆はとてもおすすめです。煮豆でもおからでも、納豆でも良いと思いますが、豆腐や豆乳には食物繊維はほとんど含まれません。
また、野菜類は食物繊維が多いというイメージがあると思いますが、白米やくだものと比べると多いのですが、ごぼうでも6%くらいですので、意識してたくさん食べるようにしましょう。
よく言われることですが、きのこや海藻は全体的に食物繊維が多いです。また、後で説明したいと思いますが、きのこや海藻などの食物繊維は水に溶けやすい食物繊維が多く含まれているため、腸内環境を改善するのにとても良いという特徴があります。
食物繊維の健康機能について
つぎに食物繊維の健康機能について紹介をさせていただきます。食物繊維の機能は大きく分けて下記の4つが上げられます。
〇 腸の動きを活発にして、便秘を改善する。
〇 食後の血糖値を下げる。
〇 コレステロールを下げる。
〇 腸内細菌のエサとなり、腸内環境を改善する。
1つ目の便秘の改善は、食物繊維の一番ダイナミックな効果で即効性も高いので体感しやすいです。
2つ目の食後の血糖値を下げる機能は、食物繊維は消化吸収されないため、糖質と一緒に食物繊維を摂取することで、糖質の吸収も穏やかにしてくれます。
血糖値が高い状態が続くと、糖尿病に限らず、血管の炎症が増えると言われていて、それが将来的には、動脈硬化など死につながるような血管の病気につながりますので、とても大切です。
3つ目のコレステロールを下げる機能は、食物繊維がコレステロールのもととなる胆汁酸という物質を排泄させるのを助けるため、血中のコレステロール値が下がります。
コレステロールも高すぎることで動脈硬化などを引き起こしますので、血糖値同様とても大切です。
さいごに4つ目の腸内細菌のエサとなるという点ですが、腸内細菌の中でからだにとって「有益な細菌」の多くが食物繊維を分解する機能があることが知られています。
一方でからだにとって「良くない腸内細菌」の多くは動物性のタンパク質などを分解する機能があります。
動物性のタンパク質もわたしたちのからだにとってはとても大切な栄養素ですが、腸内細菌のバランスを考えるとき、動物性のタンパク質を食べたときこそ、食物繊維をしっかりととるということを意識することが大切だと思います。
食物繊維の種類による健康機能の違いについて
さいごに、食物繊維の種類と種類による効果の違いなどについて紹介をさせていただきたいと思います。食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維というものがあります。
それぞれの特徴をまとめると下記のようになります。
不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 | |
多い食品 | 豆類 野菜類 米(玄米) 小麦 など | 海藻類 きのこ類 大麦 果物 など |
健康機能 | 〇 便秘の改善 △ コレステロールを下げる △ 血糖値を下げる △ 腸内環境の改善 | △ 便秘の改善 〇 コレステロールを下げる 〇 血糖値を下げる 〇 腸内環境の改善 |
上の表を見てもらうと、機能面で大きな違いがあることが分かります。すこし大げさに書いているかもしれませんが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の大きな特徴です。
不溶性食物繊維は野菜、豆、玄米、小麦など比較的取り入れやすい食品に多く含まれます。一方で水溶性食物繊維はすこし意識的に取り入れなければ、摂取が難しい食品が多いです。
健康機能についても、今回の記事ではエビデンスの紹介は省きますが、どちらの食物繊維でも1.便秘改善、2.コレステロール低下、3.血糖値低下、4.腸内環境の改善は期待できるのですが、効果の大きさには違いがありますので、不溶性食物繊維ばかりではなく、両方をバランスよく取れると良いと思います。
さいごに
ここまで読んでくださりありがとうございました。今回の記事をまとめると、
・食物繊維は消化されない栄養素の総称です。
・食物繊維が多い食品は豆類、きのこ類、海藻類などです。
・食物繊維には不溶性と水溶性があり、機能が少し異なります。
ということになります。さいごに、じゃあ、わたしはなにをおすすめしますか?ということについても紹介をさせていただきます。
① 主食を白米から麦ごはんに置き換える、朝ごはんはミューズリー、グラノーラにする。
② 豆類、とくに納豆を積極的に食べる。
という2つです。その理由は絶対量が取りやすいからです。海藻なども非常におすすめで意識して食べたいのですが、海藻をたくさん食べるのであれば、同じ量の大麦や納豆などを食べる方が圧倒的に楽だからです。
また、毎日続けるという点でも圧倒的に楽です。玄米ではなく、麦ごはんをすすめる理由は、食物繊維の絶対量も高いのですが、それ以上に水溶性食物繊維が取れるというメリットがあるからです。
このように、わたしたちの食生活のベースになるような、摂取量が多い食材をまずは見直したうえで、バランスの良い食生活を考えることができればよいのではないでしょうか~?少しでも参考にしていただければ幸いです。