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【セカンドミール効果】食後の血糖値を下げる機能は持続する

こんにちは、この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。今回の記事はセカンドミール効果です。

みなさま、セカンドミール効果という言葉はご存じでしょうか?食後の血糖値を下げる食品というのは色々あると思うのですが、1回食べると食後だけでなく、その次の食事でも血糖値を下げるような食材があるんです。

もっと言うと、朝ごはんにセカンドミール効果がある食品を食べると、昼の血糖値の上がり方も、夜の血糖値の上がり方もゆるやかになるんです

これって結構すごいことですよね。そんな機能をセカンドミール効果と呼ぶのですが、実は、けっこう古くから知られていまして、最初に発表されたのはもう30年以上前の1980年代です。日本では、わたしのイメージが強いのは、大塚製薬がソイジョイや麦ごはんなどでセカンドミール効果のエビデンスを出していて、力を入れているイメージがあります。

今日の記事では、セカンドミール効果ってどんな機能なの?とか、どんな食材で報告されているの?と言った疑問に答えられるような記事にしたいと思います。

この記事のポイント

  • セカンドミール効果は食後血糖値だけでなく、その次の食事でも血糖値が上がりにくくなる機能のことで、食品の機能性の一つとして知られています。
  • セカンドミール効果は低GIの食品などで報告されています。

この記事を書いている私は、食品の開発や機能性研究を行っている企業研究員です。大学院にも通っており、博士課程の大学院生でもあります。セカンドミール効果については以前に研究をしたこともあり、論文も書いています。

セカンドミール効果は食べた時にも、次の食事でも好影響を与える

それでは、さっそくセカンドミール効果について紹介をしたいと思います。セカンドミール効果というのは、食後の高血糖を抑える食品の機能の一つです。セカンドミール効果の一番の特徴は、その食事だけでなく、次の食事でも血糖値の上昇を抑えることです。

食後の血糖値を下げる食品

食後の血糖値を下げる食事や医薬品は様々ありますね。食品の例をあげると食物繊維やポリフェノールなどです。

食物繊維は、とくに水溶性食物繊維といって、海藻や大麦などに含まれる食物繊維に、消化をゆっくりにしてくれる機能があり、オススメです。

水溶性食物繊維は、海藻、ごぼう、大麦などに含まれます。オクラやとろろなどのネバネバ成分も水溶性食物繊維です

一部のポリフェノールにも食後の血糖値を下げる効果があります。とくにタンニンなどと言われるような高分子のポリフェノール、つまりポリフェノール同士が結合して大きな構造をしたものは、その効果があります。これは、高分子のポリフェノールには、たんぱく質に結合するという性質があり、デンプンを分解する酵素の働きを邪魔することで、血糖値を上げにくくするのです。

例えば、お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶など)、果物の種や皮などにこのようなポリフェノールが多く含まれます。

ただ、これらの食材は食べるタイミングも大事で、ポリフェノールは食事前、食物繊維は食事中に摂取するのが効果的だと思います。これに関してはあまり細かいエビデンスまでは分かりませんが、大事なのは、糖質の消化吸収に関わる機能なので、食事のときにとってね!と言うことです。

セカンドミール効果がある食品

では、どんな食材にセカンドミール効果があるのかという話をしたいと思いますが、実は低GI食品でセカンドミール効果が期待できるよ!と言われています

低GI食品というのは食後の血糖値をゆるやかにする食品なので、食後の血糖値を下げる機能はそのまま次の食後にも持続するということです!なぁんだ~となったらすみません。

そのメカニズムを簡単に紹介すると、よく言われるのは下記の2つです。

  • 腸内細菌のエサとなり、その代謝産物がすこーし遅れたタイミングで働いているので、次の食事で血糖値が上がりにくくなる。
  • 血糖の上がり方がゆるやかだと、満腹感が持続しやすく、次の食事で急激に血糖があがらなくなる。

などです。わたしは2つ目の満腹感というのが特に大事だと思っていますが、腸内細菌が効いていると解説されていることは多いです。その理由としては、腸内細菌が流行りのキーワードであることと、ポリフェノールには腸内細菌のエサとなるエビデンスが少ないので、食物繊維素材がセカンドミール効果をアピールする際の差別化ポイントになるということなのかなと思います。

次に具体例をあげて、どんな結果だったんだろうというのをいくつか紹介したいと思います。

レンズマメを前夜に食べると、翌朝の血糖値が上がりにくい

せっかくなので、30年以上前の論文を引用したいと思います。Am J Clin Nutrという雑誌ですが、栄養学の雑誌では一番有名な雑誌です(たぶん)。

上の実験では、1日目の晩にレンズマメか、同じだけの糖質を砂糖水で摂取します。この時、晩ごはんの後の血糖値も測定しているんですが、その結果は割愛します。

そして、2日目の朝には、前の晩に砂糖水を飲んだ人も、レンズマメを食べた人も砂糖水を飲んでもらうと、その後の血糖値の上がり方に差が出ます。右のグラフがその結果なんですが、一目瞭然で、レンズマメを食べていた時の方が血糖値が上がりにくいという結果でした。

まさに、セカンドミール効果ですが、この研究では砂糖水と比較していたので、次に砂糖水ではなく、糖質をすべて食べ物に変えたときの試験を紹介したいと思います。

GI値が低い食事にはセカンドミール効果があった

上の試験が同じ論文内で行われた実験で、試験デザインは先ほど紹介した試験と基本的には同じです。

低GI食品または高GI食品を前の晩に食べて、翌朝に全員が牛乳とコーンフレークを食べています。日本人の食事とは違いがあるかもですが、先ほどの砂糖水を使った試験を、通常の生活に一般化したデザインだというのは分かると思います

そして結果ですが、この試験でも見事に低GI食を食べた時に、セカンドミール効果が認められています。かなりキレイな結果ですね。

詳しい方は、統計的な差がないのでは?と思うかもしれないので統計的な話の補足をすると、各ポイントでの差は出ていないのですが、平均すると差があったとのことです。

そして、この論文では、低GI食品でセカンドミール効果が得られるとまとめられています

まとめ

いかがでしたでしょうか?セカンドミール効果って日本では2010年頃からよく聞かれるようになったかな~と思いますが、実はまとめてみると結構シンプルで、低GI食品のPRの一つとして、自然な流れで出てきた言葉だと思います。

低GIという言葉が市民権を得たら、次はセカンドミールだな!と考えた仕掛人がいたんだと思います。

最後に少しだけ、食後高血糖について話をします。

わたしは食後高血糖をおさえるというのはかなり大事なことだと思っていて、リアルな話をすると、腸内環境よりも食後高血糖を気にしています。ですが、糖尿病などの生活習慣病のリスクは特にありません。

ではなんで食後高血糖を意識しているかと言うと、血管の炎症が進むと言われているからです。実は血糖値が高い人は糖尿病で亡くなるのではなく、心血管の病気で亡くなる可能性が高いです。詳しくは下記の記事で紹介しているので、興味があったら読んで頂きたいですが、わたしが言いたいことは、せっかくこの記事を読んで頂いたのであれば、糖尿病などの病気の人だけでなく、健康な方も、食後高血糖に気をつけて欲しいなと思います。低GIというのは健康な人にとってもとても重要な概念であることは是非知っていただきたいな~と思います。

少しでも、この記事を参考にしていただけたら嬉しいです。それでは。

参考文献

Second-meal effect: low-glycemic-index foods eaten at dinner improve subsequent breakfast glycemic response. T M Wolever, D J Jenkins, A M Ocana, V A Rao, G R Collier. The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 48, Issue 4, October 1988, Pages 1041–1047 LINK

食品会社勤務の企業研究員。公衆衛生の講座に在籍する、社会人博士課程の大学院生でもあります。食の機能性研究、腸内細菌の研究に軸を置いています。興味関心は公衆衛生、疫学。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Twitterやブログで発信しています。