健康 食事

野菜と果物 健康のために意識して食べたほうが良いのは?

2020-05-08

はじめまして、こんにちは。この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。

このブログでいくつか書いていきたいテーマがあるのですが、今回はその中でも特にわたしが注目している論文から紹介をさせていただきます。今回紹介する論文は別の記事でも取り上げさせていただきましたが、

GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2019 May 11;393(10184):1958-1972

という論文です。この論文では、どのような食生活がわたしたちの寿命を短くするかを、ランキング形式でまとめた論文です。

この論文を読むと本当にたくさんの気づきがあります。今回の記事ではその中でも、野菜と果物に着目したいと思います。

この論文では果物のほうが野菜よりも重要であることを示しています。意外だと思いませんか?わたしとしてはこの結果は意外でしたし、わたしを含め、たくさんの方が誤解しているかもしれないと思い、記事にまとめることにしました。

まずは論文の結果を振り返ろう

語学の勉強をする人のイラスト(男性・リーディング)

はじめに論文の生データを見たいと思います。

この論文は、対象となった195か国の食事調査をもとに、その食生活がどのような病気に関わっているかを評価し、ランキング形式でまとめた論文です。

この論文で使われている評価指標はDALY(ダリ)という早く亡くなったことによって失った期間と病気や障害などで失った期間を合わせた期間です。

早速ですが、この論文の結果、どのような食事因子がDALYに影響したか、そのランキングは下記のグラフの通りです。

この結果について、1位、2位の全粒穀物と食塩についても書きたいことはたくさんあるのですが、野菜が意外と低く、果物が意外と高いという印象を持ちませんでしょうか?

正直なところ、わたしはこの理由も分かっていないですし、論文の中でもあまりくわしく言及されていませんでした。

ですので、正しいかどうかは別として、わたしなりの考えで全力で考察してみたいなと思いました。

わたしの考察

果物は不足分が大きいので、その分だけ効果が上乗せされる

一つ目の考察は、果物に比べて野菜は摂取されている点です。

下のグラフは適切な摂取量に対して果物(左)と野菜(右)がどれだけ不足しているかを説明しています。緑色のラインが適切な摂取量そして、緑色の点線が世界の平均摂取量になります。

この論文で基準となる摂取量は果物は少なくとも200 g以上、野菜は少なくとも290 g以上です。

それに対して、実際に摂取している量は、正確な数字が取れなかったのですが果物で100 g弱、野菜で200 g弱でした。この数値が示すことは、果物は約50%不足しているのに対して、野菜は約30%しか不足していないということです。

もしも果物と野菜で同じ程度病気を予防する効果があるのであれば、不足分が多い果物のほうがDALYには当然大きく影響します。単純に50/30すなわち1.7倍くらいは果物のほうが影響が大きいということになります。

この考察が意味することは、野菜を減らして、果物を増やすということは全くのナンセンスということになります。

グラフの中で赤字で示してある食材や成分が摂取が望ましくないものになりますので、そういった食材の摂取量を控えて、果物も野菜も共に増やすことが大事と言えそうです。

果物の摂取が多い人は食文化もバラエティに富んでいる

次の考察は、果物の摂取量が多い人は、果物以外にも健康的な食生活をしている人が多いかもしれないという考察です。

例えば地中海食は最もエビデンスがしっかりと認められた食事ですが、果物の摂取量が多いという特徴を持ちます。このように健康な食生活というのは比較的相関していることが多く、どうしても研究デザイン上、過大に評価されてしまう可能性を排除できません

このような研究デザインによる、過大評価、過小評価というのは、統計処理を行う際に調整することでできるだけ排除するようにしています。

しかし、どうしても、すべてを排除しきれないため、考察などに記載がされています。

もちろん、野菜でも同じように過大に評価されている可能性は高いのですが、野菜はほとんどすべての食文化で何かしら取り入れられているので、過大評価の程度が低いかもしれないとわたしは感じました。

果物の摂取量が多いとお菓子など余計な糖分が減る

次の考察は、わたしは「置き換え効果」と読んでいて健康を考えるうえでとても重要なポイントだと思っているのですが、果物は甘いので、果物をよく食べる人たちはおそらくビスケットやポテトチップスといった体に悪い食べ物を果物に置き換えている可能性があります。

置き換え効果で単純に果物を食べたメリットだけでなく、お菓子などを食べる量が減った効果もそこに上乗せされている可能性があります。

これはかなり重要なポイントで、場合によっては食べる量が減ったビスケットやポテトチップスの影響の方が、果物のメリットよりもはるかに大きい可能性だってあると思います。

このような置き換え効果のほかの例を記すとしたら、たとえば全粒穀物が15項目の中で1番DALYに影響していますが、これも小麦粉や白米などの「白い炭水化物」を「茶色い炭水化物」に置き換えることで、全粒穀物の機能に加えて、白い炭水化物の摂取量が減った効果が出ていると思います。

まとめ

さいごまで読んでくださりありがとうございました。今回の記事をまとめると、下記のようになります。

・野菜よりも果物のほうがDALYに影響が大きい。
・考察としては、
①果物のほうが不足割合が大きいから。
②果物を多く食べる人は他にも健康的な食事をしているから。
③果物を食べるとお菓子の量が自然と減るから。

わたしの中では、野菜よりも果物のほうが健康的とは思っていませんが、果物のほうが影響が大きいのは間違いないと思います。

また、今回の記事では全く触れませんでしたが、最初に示していたグラフを見ると、野菜は心血管疾患にのみ関係があるのに対して、果物は心血管疾患、がんなど多様な病気ともかかわっていて、健康に関わる成分などに色々と違いもありそうだなと思いました。

今回の記事は基本的には、エビデンスがある内容ではありません。あくまでも著者の考えですので、間違っている可能性もありますので、もし他にもいろいろな考察がございましたら、アドバイスなどいただけると、とても勉強になりますのでぜひお願いします。

この記事が何か一つでも皆様の食生活を見直すきっかけになったら、うれしいなと思います。

  • この記事を書いた人

Pon

食品会社勤務の元企業研究員(PhD)。食の機能性研究、腸内細菌の研究をメインにしていました。興味関心は公衆衛生、疫学、食品の機能性。好きな食べ物はカレーと杏仁豆腐。コテンラジオ、キングダムが好きです。統計の専門家に憧れます。興味のある研究について、Xやブログで発信しています。

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